2019年11月23日午前0時に失効する予定のGSOMIA(General Security of Military Information Agreementの略:軍事情報に関する包括的保全協定)でしたが、直前の11月22日17時に韓国から「破棄表明の凍結」が日本政府に通告され、GSOMIAは失効に至りませんでした。
簡単にいえば韓国が寸前で日和ったわけですが、今回のような騒動は本来必要がなかったものでした。韓国が「同盟」というものを理解していれば。
同盟について、佐藤大輔御大の言葉を以下に引きます。
(前略)「同盟」という政治的行為の性質を考える必要がある。
同盟とは二国間に成立する協商関係であり、その目的は政治・軍事・経済的利益を関係諸国へもたらすことにある。もちろん、同盟締結からもたらされる利益は、参加した国すべてに分配されねばならない。
であれば当然、同盟関係はそれが限られた国のみに利益をもたらす状態に変化した時点でその意義を失う。破約あるいは破棄され、おおむね、それまで同盟国であった両者の関係は険悪なものに変化する。ひどい話だが、元来、利を得るために結ばれる関係であるから、どうにもならない。政治には正誤は存在するが、善悪は存在しない。現実の要求より道徳が上位にたつことなど、あってはならない。
ひどい理屈に思えるかもしれないが、以上は歴史が証明する同盟の原則である。
⇒引用元:佐藤大輔『信長新記 一本能寺炎上』(德閒文庫,2004年)p.65
同盟は「相手にとっての自分の価値」を高め合うことで維持される
韓国の駄目な点は以下の3つに集約されます。
1.「同盟の原則」の無理解
韓国という国は「同盟」という利を求めるために行われる政治的行為に対して、「善悪」を持ち込み、しかもその善悪の判断がまさにエスノセントリズム(自文化中心主義)的なものであったため、日本政府、合衆国政府(ひいては西欧社会)の理解など得られるはずもなかったのです。つまり上記のような同盟の原則を全く理解していません。
2.自分の価値を自ら毀損した
上記の御大の指摘する原則どおり、同盟とはお互いに相手の価値を認めて初めて結ばれるものです。しかし、韓国はGSOMIAという契約が合衆国の国益に叶うものであり、日本との契約を破棄することが合衆国との同盟関係にひびを入れるものであることも理解していませんでした。韓国はGSOMIAの破棄表明をすることで、自らの価値を自分で毀損しました。
3.同盟を維持するための努力をしなかった
さらに韓国は、
「同盟を維持するためには、自分の価値を高めるためにお互いに努力しなければならない」
という原則も理解していませんでした。これは日本政府に対しても、合衆国政府に対しても同じです。
同盟を継続するには「常に相手にとって役に立つ存在」でなければなりません。そのための努力をお互いにする必要があるのです。もし片方がその努力を怠って、その同盟から得られる利益が一方に偏ってしまったときには、上記の御大の指摘どおり破棄、破約される。それが同盟というものなのです。
韓国はこの努力を怠りました。日本政府にいわれなき非難を浴びせ、合衆国政府に対しては「日本政府を説得すべき」と言うばかりで、合衆国との同盟(合衆国にとって役立つ国であること)に寄与することは何もしませんでした。
当然ですが、バカ(誠に申し訳ありませんが「金鉉宗」さんのことです)を渡米させて※「日本が悪い」と合衆国政府に申し立てるなんてことは、「(合衆国との)同盟を維持するための努力」とはいいません。
つまり、韓国という国(韓国政府)は「同盟」というメカニズムを全く理解していなかったのです。そして、恐らく今も理解していないでしょう。つまり、今回のような不必要な騒動が起こったのは韓国自身のせいです。自業自得、身から出た錆(さび)で1ナノも同情の余地はありません。
日本も合衆国との同盟においては、韓国のような失敗をしないようにしなければなりません。
※GSOMIA失効期限すれすれに金鉉宗さんが合衆国を訪問したのは、韓国政府の意向によるものではなく、合衆国政府に呼びつけられたものである、という報道が出ました。詳細は以下の記事を参照してください。
(柏ケミカル@dcp)