韓国『双竜自動車』の買収は2社に絞られる。実はどちらも資金が不安

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久しぶりですが、破綻して法定管理下にある韓国『双竜自動車』の件です。

『双竜自動車』の買収は2社に絞られた

『EY会計法人』が売却主管社となって『双竜自動車』を買収するための提案書を受け付けているのですが、買収可能性は「EL B&Tコンソーシアム」「エジソン・モータースコンソーシアム」の2つに絞られました。

INDI EV」も09月の段階では買収提案書を出しており、有力と見られていたのですが、2021年10月01日、ソウル回生裁判所(倒産案件ばかりを専門に扱う地方裁判所)と『EY会計法人』に下りる旨を深刻。買収から下りました。

そのため、「EL B&Tコンソーシアム」「エジソン・モータースコンソーシアム」の対決となっています。

両者とも09月15日〆切の買収提案書を出したことは出したのですが、裁判所から資金繰り計画書などの補完資料提出、また買収保証金「30億ウォン」(約2.9億円)の納入を30日までに行うことを命じられました。

ところが、書類に不備があり、また「EL B&Tコンソーシアム」の方は保証金の納入を行わず、そのため〆切が10月15日まで延長されていました。

実はどちらも資金に不安がある!

「EL B&Tコンソーシアム」の方は、2021年末あるいは2022年初頭にサウジアラビアの『SIVC』から3億5,000万ドル(約400億円)の投資を受けて電気自動車を生産する合弁会社を設立する――という絵図面を描いています。

これにあの『カーディナル・ワン・モータース』が参画するというのです。

『カーディナル・ワン・モータース』は、『HAAHオートモーティブ・ホールディングス』が倒産した後に同社の取締役が新たに設立した会社。『HAAHオートモーティブ・ホールディングス』は散々『双竜自動車』を買収するというニュースが出ながら、結局自身が破産して何もできなかった企業です。

つまり、絵図面だけあってまだお金は全然ないと推測できます。サウジアラビアから出資があってはじめてお金がそろうのであって、本当に買収できるのか疑問と言わざるを得ません。

一方の「エジソン・モータースコンソーシアム」の方は、韓国の電気バスメーカー『エジソン・モータース』が中心になって買収のためのコンソーシアムを組んだもの。

しかし、「エジソン・モータース」は『双竜自動車』を買収するに足る大企業ではありません。2020年の売上高はわずか897億ウォン(約86億円)に過ぎません。

事実上破綻したとはいえ、『双竜自動車』は2020年の売上は約3兆ウォン(約2,880億円)あったのです。

つまり2つに売却先が絞られたとはいうものの、両者ともに資金に不安があり、買収できたとしても『双竜自動車』をきちんを継続させることができるのかは全く未知数なのです。

『双竜自動車』を巡るドタバタはまだ続きそうです。

(吉田ハンチング@dcp)

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