2021年、韓国政府は「180.5兆ウォン」(約17.5兆円)分の国債を発行し、資金を調達しました。これは2020年の「174.5兆ウォン」(約16.9兆円)を抜いて過去最大です。
コロナ禍に襲われて経済が低迷したため、お金をまくための資金調達でした。
来期の予算も「607兆7,000億ウォン」(約59.0兆円)とスーパーなものである※ため、税収などでは支出をまかないきれず、国債を発行しなければなりません。
※予算を組んだ段階で600兆ウォン(約58.2兆円)を超えたのは韓国史上初のことです。
2021年12月24日、韓国の企画財政部は「2022年の国庫債券発行計画」を明らかにしました(国庫債券とは「国債」です)。以下をご覧ください。
<<以下に注目ポイントを和訳>>
年間発行額の上限は166.0兆ウォンで、2021年発行量と比較して14.5兆ウォン減少※純証発行規模は93.4兆ウォン(前年比-27.2兆ウォン)、 借り換え発行規模は 72.6兆ウォン(+12.7兆ウォン)
⇒参照・引用元:『韓国 企画財政部』公式サイト「2022年国庫債発行計画」
2020年、2021年と、さすがに発行し過ぎたというので、2022年は「166.0兆ウォン」に発行額を調整します。国債発行額の推移は以下のようになります。
「166.0兆ウォン」と発行額を14.5兆ウォン(約1.4兆円)削りますが、上掲のとおり、発行額をコロナ前の水準まで戻すにはかなり時間がかかりそうです。
また、ご注目いただきたいのは、借り換え分が「72.6兆ウォン」(約7.0兆円)と「12.7兆ウォン」(約1.2兆円)増えた点です。ロールオーバーでしのいで元本返済を抑えようという計画です。
不安要素といえば、やはり李在明(イ・ジェミョン)さんです。大統領になると自身のポリシーであるベーシックインカムなどばらまき政策を推進する可能性が大です。これを実現するためには、国債発行を行い、資金を調達するしかないでしょう。
国債発行額がこの計画どおりに進行するかどうかにご注目ください。
(吉田ハンチング@dcp)