韓国政府の税収が「約41兆ウォン」も上振れしたという件を先にご紹介しました(11月までの累計:01~12月では59兆ウォン上振れすると推測)。
では、それで政府の財政は好転したのかというと、予算よりは随分いいのですが「赤字」です。
毎度おなじみですが、韓国の企画財政部から2021年11月時点での財政のデータが出たので確認してみましょう。以下です。
2021年11月単月
収入:34.0兆ウォン
支出:37.1兆ウォン
統合財政収支:-3.0兆ウォン
管理財政収支:-9.4兆ウォン2021年01~11月累計
収入:523.9兆ウォン
支出:546.3兆ウォン
統合財政収支:-22.4兆ウォン
管理財政収支:-77.0兆ウォン
何度もご紹介しておりますが、「統合財政収支」は単純に収入から支出を引いたもの。「管理財政収支」は国民年金基金などの社会保障基金の収支も足したものです。政府財政の健全性を考える際には、社会保障基金の収支も足した「管理財政収支」の方を用います。
以下がここまでの「統合財政収支」と「管理財政収支」の累計の推移です。
単純に収入から支出を引いた、青い線「統合財政収支」の方は、税収が増加した効果もあって、累計でプラス方向に向かっています(ゼロの下にあるので赤字ですが)。
しかし、オレンジの破線「管理財政収支」の方は、下に向かい「-77兆ウォン」に達しました。つまり、赤字を積み重ねているというわけです。
先にご紹介したとおり、税収は11月までに予算より「+40兆7,000億ウォン」も増えたのですが、それでも赤字を増加させているのが現状です。
(吉田ハンチング@dcp)