もう何度だっていいますが、韓国は貿易でのもうけで食べている国ですから「輸出金額 - 輸入金額」で求める貿易収支が大きくないと国が成り立ちません。問題なのは、「輸入しなければならない物」の値上がりです。
韓国は、資源、中間財、資本財を輸入して完成品を作り、これを輸出する構造になっています。
ところが、世界的インフレ進行で「輸入しなければならない物」、「完成品をつくるために必要な物」の価格が上昇しているのです。そのため、「輸出金額 – 輸入金額」の「輸入金額」が急増して貿易のもうけが減るという事態に陥っています。
輸入物価の無茶苦茶な上昇!
2022年01月27日、『韓国銀行』が「2021年12月貿易指数および貿易条件」を公表しました。これを見ると、2021年12月時点での輸出物価、輸入物価がどのような水準だったのかが分かります。
まず、以下をご覧ください。
<<以下にプレスリリースから重要ポイントを抜粋>>
輸出
輸出物量指数:133.01( 4.8%増加)
輸出金額指数:146.64(22.0%増加)輸入
輸入物量指数:135.76 5.9%増加
輸入金額指数:170.64(37.6%増加)※増減は対前年同期比を%表記/この分析に使われている指数は「2015年=100」としてものです(金額指数はドル基準)。
⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト「2021年12月貿易指数および貿易条件」
物量指数の方は、その名のとおり物理量、トラフィックの量を示しますが、輸出、輸入それぞれ「4.8%増」「5.9%増」と旺盛になっており、コレは良いことです。輸入も消費ですから、増加するのは経済が活発になっていると見ることができます。
ところが、トラフィックの物理量は一桁台の%増にとどまっているにもかかわらず、金額指数の方は「22.0%増」「37.6%増」と大きく膨らんでいます。それだけ物価が上がっているのです。
しかも、輸出と比べて輸入は「15.6%」も多く増加しています。
「輸入金額指数」は「170.64」となっており、「2015年 = 100」ですから、2015年の1.7倍です。
つまり、輸入品の物価は輸出品の物価を超えて無茶苦茶な上昇を見せているというわけです。
この傾向が続く限り、韓国の貿易収支(貿易のもうけ)は圧迫され続けます。2020年はコロナ禍の中、不況型黒字で凌いだのですが、今度は資源、中間財、資本財の価格上昇による利益減という危機に直面しているのです。また悪いことに通貨安が進んでいますので、これによって輸入品の価格がさらに上昇するという逆風にもさらされています。
(吉田ハンチング@dcp)