ウクライナ事態で韓国はアメリカ合衆国から「パートナー国」とは認められませんでした。
慌てた文在寅大統領が「ロシア制裁に参加しなさい」と指示を出さなければならないほど、韓国政府は焦っています。
2022年03月01日、企画財政部から興味深いプレスリリースが出ております。同部のイ・オクウォン第一次官が合衆国財務省の副長官、『IMF』『IDB』『EBRD』の高官と会談を行ったというのです。
『IMF』(International Monetary Fundの略:国際通貨基金)はおなじみ、韓国では時に死神と呼ばれることもある世界を股にかける高利貸し。
『IDB』は「Inter-American Development Bank」の略で『米州開発銀行』。
『EBRD』は「European Bank for Reconstruction and Development」の略で『欧州復興開発銀行』。
さあ韓国のイ次官は何しに渡米したのでしょうか?
『IDB』とは中南米への投資関連(28日ワシントン)、『EBRD』(25日ロンドン)とは気候変動絡みなのでいいのですが、問題は合衆国財務省、『IMF』との会談です。
財務副長官に泣きつく
まず、合衆国財務副長官との会談で注目ポイントについて和訳します。
(アデエモ米国財務省副大臣の量子面談)
□ イ・オクウォン企画財政部1次官は22.2.28(月)、9:00時(現地時間)、ワシントンD.C.に於いて、合衆国財務省のWally Adeyemo(ウォーリー・アデエモ)副長官と会談を行い両国間の主要懸案について議論した。□今回の面談は、ウクライナの事態など緊迫している国際情勢の中で米韓両国の上級当局者間の緊密な協議のために行われた会談で、代理制裁、イランの凍結資金問題などの主要懸案に対する協力策を議論し、両国間の固い結束を再確認するきっかけとなった。
➊ (世界経済動向) イ次官とアデエモ副長官はオミクロン拡散、インフレ、サプライチェーンの支障、ウクライナ事態など、世界経済リスク要因を確認し、両国間の政策基調の方向を説明した。
➋(イラン凍結資金問題)イ次官は対イラン資金問題解決のための両国間協力を高く評価し、ウィーン核交渉で凍結資金移転問題が解決されることを期待すると述べた。
-アデエモ副長官は、米韓両国が継続的なコミュニケーションと協力を通じて同問題を解決していきたいと答えた。
➌ (ウクライナ事態関連の制裁) イ次官は、韓国政府も責任ある国際社会の一員として事態解決のための主要国の努力を積極的に支持するという立場を明らかにし、代理制裁に関連して国際社会と積極的に協力するという強い参加意志を表明した。
– 輸出制裁に関しては、対処戦略物資輸出禁止をはじめとして追加制裁方案も検討していることを説明し、SWIFT排除など代金金融制裁同参の具体内容についても関係省庁間の協議・検討が完了次第、迅速に発表することを強調した。
-アデエモ副長官は韓国政府の積極的措置と共同対応意志表明に謝意を表し、今回の事態のような武力侵攻は、いかなる場合にも容認されてはならない。これに対応した同盟国間の緊密な協力が非常に重要だと強調し、引き続き韓国側と積極協議していくことにした。
⇒参照・引用元:『韓国 企画財政部』公式サイト「第1次官、米財務省副長官および国際金融機関(IMF・IDB・EBRD)高位級と面談進行」
パートナー国に入り損ねたので、セカンダリーサンクション(経済制裁を受けている国と取引する第三国の個人・企業・金融機関などに対する制裁)を受けてはかなわん、と合衆国財務省に泣きついた様子が見て取れます。
また、イランの凍結資金について話し合われた点も注目に値します。合衆国がOKとなれば、韓国は例の原油代金70億ドルを支払わなければならなくなります。当面は支払いは「なし」の方向でまとまったと推測できます。
「両国間の固い結束を再確認するきっかけとなった」などと書いていますが、こういうプレスリリースを出さなければならないほど「米韓関係は緊密ではない」と見ることができます。全力で親北、親中国に走ったツケですから全くの身から出た錆です。
『IMF』に「ひとつよしなに」とネゴネゴ
以下に『IMF』との会談に触れた部分を和訳します。
2.国際通貨基金(IMF)アジア太平洋地域および韓国ミッションチーフと会談
□イ・オクウォン次官は02月28日(月)15時、ワシントンD.C『IMF』本部でIMFアジア太平洋局(APD)イ・チャンヨン局長とMartin Kaufman(マーティン・カウフマン)韓国ミッションチーフと面談を通じてウクライナ事態などを含め、世界経済リスクを確認し、今後の政策対応策について議論した。
ㅇイ・チャンヨン局長はオミクロン拡散、サプライチェーン支障、インフレなどで先進・新興国において成長展望が全て下方調整されたとし、世界経済の脅威要因について説明した。
-イ次官はこれにより韓国に及ぼすことができる分野別影響について局長と意見を交換し、危機克服のための国際共助の重要性とIMFの積極的な役割を強調した。
ㅇカウフマン団長は、他の国と比較して韓国経済が速く強い景気回復などで非常に優れた成果を見せていると評価*し、サプライチェーン擾乱、ウクライナ事態などによる不確実性も存続するが、政策対応能力と政策余力を考えると、衝撃を効果的に吸収できると言及した。
* IMF協定文に基づく加盟国は、毎年IMFと経済状況を確認する年次協議の開催
↳ 01月11~25日、韓国政府と実施した年次協議に基づき、カウフマンチーフブリーフィング-イ次官は防疫、被害階層支援など危機克服のための政府努力を伝え、韓国年次協議報告書でも、これらの点が十分に考慮されることを希望すると述べた。
⇒参照・引用元:『韓国 企画財政部』公式サイト「第1次官、米財務省副長官および国際金融機関(IMF・IDB・EBRD)高位級と面談進行」
「危機克服のための国際共助の重要性とIMFの積極的な役割を強調した」とありますので、『IMF』になんらかの支援を求めて渡米した可能性があります。
「韓国年次協議報告書でも、これらの点が十分に考慮されることを希望する」とありますので、要求した支援の一つは、『IMF』の出すリポートで韓国について「ひとつよしなに」というものだと思われます。
↑『IMF』と洪楠基長官のオンライン協議。2022年01月25日に実施された
先に行われた洪楠基(ホン・ナムギ)副首相兼企画財政部長官と『IMF』の協議がおもわしくなかったのかもしれません。
――というわけで、韓国政府はドタバタしております。
(吉田ハンチング@dcp)