韓国「外貨準備の4カ月連続減少」は免れた。本当ですか

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2022年03月04日、『韓国銀行』から02月末時点での外貨準備高が公表されましたので見てみます。

2022年02月
外貨準備高:4,618億ドル(約53兆3102億円)
(前月比:+2億ドル)

<<内訳>>
⇒Securities 4,108億ドル(約47兆4,228億円)
(証券類)
前月比:+18億ドル

⇒Deposits 262億ドル(約3兆245億円)
(預金)
前月比:-16億ドル

⇒SDRs 153億ドル(約1兆7,662億円)
(IMFのSDR(特別引出権))
前月比:増減なし

⇒IMF position 46億ドル(約5,310億円)
(IMFリザーブポジション)
前月比:増減なし

⇒Gold 48億ドル(約5,541億円)
(金)
前月比:増減なし

※円換算は2022年03月04日「1ドル=115.44円」のレートで算出
⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト「Official Foreign Reserves(January 2022)」

「Securities(証券類)から金まで全部足した外貨準備高」の2021年01月~2022年02月の推移をグラフにすると以下のようになります。

2021年10月の「4,692億ドル」を頂点に、11月、12月、01月と3カ月連続で外貨準備高は減少しました。

韓国メディアではこの減少を指して危険な兆候としてきたのですが、02月は増えて4カ月連続減少は免れました。

韓国メディアでは「外貨準備高増加!」と報じていますが……。

重要なのはSecurities(証券類)と現金たるDeposits(預金)です。この2つを足して、2022年01月と02月を比較すると以下のようになるのです。

2022年
01月:4,369億ドル
02月:4,370億ドル

増えたっていうか……という結果ですね。01月、02月でほとんど差がないということは、02月に外貨準備がほとんど積めなかったということです。

つまり、02月の国際収支はいってこいがほぼゼロでないとおかしいことを意味しています。ただし、恐らくこのような予測を無視したデータが出るでしょう。なにせ韓国では国際収支統計と、この公表外貨準備での増減が合わないのですから。

それはさておき、当月は、現金たるDeposits(預金)が16億ドル減少してSecurities(証券類)が18億ドルが増加しています。この2億ドル分、外貨準備高が増えました。減った現金でSecurities(証券類)を購入したと考えればほぼ合いますが……。

『韓国銀行』は毎度のことながらこの2億ドルの増加については「その他通貨の外貨資産のドル換算額および運用収益増加などに起因する」と説明しています。

ちなみに、韓国の外貨準備におけるDeposits(預金)の金額は以下のように推移しています。

12月に166億ドルまで減ったのですが、先にご紹介したとおり、2022年01月に112億ドルも一気に増加しました。これはSecurities(証券類)を126億ドルも処分したからです。

現金を厚めに持っておかないといけない状況だからではないか、という推測もできます。

【韓国の外貨準備】現金「111億ドル」の激増!なぜ126億ドルも証券類を売ったのか
毎度おなじみですが韓国の外貨準備です。2022年02月07日、『韓国銀行』から2022年01月末時点での韓国の外貨準備高が公表されました。以下のようになっています。外貨準備高:4,615億ドル(約53兆1,971億円)※1(前月比:-16億...

合衆国財務省から「合衆国公債の主要ホルダーと保有金額」のデータが公表されたら、もう一度見てみます。

(吉田ハンチング@dcp)

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