さすがに韓国メディアも騒ぎ出しました。
韓国債の利回りが急騰している件です。
下掲は韓国債3年物の利回りチャートですが、本日2022年04月12日09:30時点で前日からさらに上昇しています(チャートは『Investing.com』より引用)。
韓国債が忌避・売却されているわけですが、この利回り上昇は市場金利を上昇させます。
なぜなら、リスクの低い「国の発行した債券」の利回りが上昇すると、国債よりリスクの高い金融商品は「より高い利率」を付けないといけなくなるからです。
そうしないと誰も買ってくれません。
例えば、企業の発行する社債。コロナ禍で経営が傾いた企業が社債発行で資金調達をしようとしても、高い利率を付けないといけなくなります。
これは企業にとっては痛手です。高い利払いを行わないと資金が入手できないのですから。
なにせもう韓国債3年物の利回りが「3%」を超えているのです。社債には「3 + α」%の利率を付けないといけません。
単純に考えれば、調達した資金で行う事業の営業利益率は「3 + α」%で回さないといけません。
そうでないともうからないからです。
営業利益率が5%あれば優秀といわれたりしますので、これは企業にとって大変なことです。
ちなみに、事実上破綻した中国『恒大集団』は香港で利率11%の社債を発行して資金を調達していました(本当です)。
「あんたの会社の営業利益はそんなにすごいのか」という話なのですが、このような野放図な資金調達をしているから飛ぶのです。
それはともかく、韓国債の利回り急騰は、実際に韓国企業の社債発行に大きな影響を与えているようで、韓国メディアも騒いでいるのです。
『毎日経済』の記事から一部を引用します。
債券市場が連日パニック面に陥っている。
(中略)
イム・ジェギュン『KB証券』アナリストは「01月中旬から『金利が安定したら資金を調達しよう』という心理が(企業の間に)あったが、02月、03月と時間が経っても金利が上がり続け、国債3年物が適正金利上限と予想される3%を突破した。『いつまで延期することはできない』という反応まで出ている」と話した。
(後略)
「暗黒面」は知っていますが「パニック面」というのは珍しい表現です。
利回りが急騰しているので、韓国企業が社債を発行するタイミングを失した様子を伝えています。
利回り上昇によって資金調達のコストが上がり、韓国債を発行しにくくなっていますし、企業も社債が発行しにくい。
「だから言わんこっちゃない」ですが、さあどうするつもりでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)