やっぱりこうなった――という話です。
先にご紹介したとおり、韓国では鉄筋不足、次いでコンクリート不足に陥っています。資源価格の急騰によって価格が急騰しているのはもちろん、ウクライナ戦争によってロシアの石炭が入ってこなくなったのが主な原因です。
マズイのは、鉄筋、コンクリートの価格上昇が建築単価に反映できず、現場で働く建築会社が経営的に困っている点です。
施工会社が工事単価の上昇を認めないからです。
建築会社……土木・鉄筋・電気・舗装など、総合的な建設工事を請け負う業者
土木、鉄筋を扱い建築工事を行う業者からすれば、必須の部材の価格が上昇しているのに工事単価が上がらなければ、利益が減少、へたをすると工事を行えば行うほど赤字となってしまいます。
すでに苦境に陥っている建築会社は工事費の増額を求めてきたのですが、施工会社は積極的な対応をしてきませんでした。
ついに現場が爆発したのです。
本件を報じた『韓国経済』の記事から一部を以下に引用します。
(前略)
15日、建設業界によると、『湖南済州鉄筋コンクリート連合会』がこの日、会員社代表会議を開いて来る20日から現場をシャットダウンすることに決議した。光州、全南、全北、済州地域の連合会所属の鉄筋コンクリート51社が参加し、これらの企業が骨組工事を進めている全国の現場200余りが対象だ。
『全国鉄筋コンクリート連合会』も同様に検討している。
これらの会社まで参加すれば施工現場600余りがシャットダウンすることになる。
全国連合会は18日、会議を開き、全体のシャットダウンを決定する計画だ。
(後略)
20日から200余りの建設現場がシャットダウン。『全国鉄筋コンクリート連合会』も18日に開催される会議の結果次第ですがシャットダウンを行う可能性があります。議決されれば600余りの現場がシャットダウンするとのこと。
このまま施工会社が単価引き上げに応じない場合、韓国の建築現場で工事がストップするかも……という大変にまずい状況になっています。
実は03月02日に『全国鉄筋コンクリート連合会』は全国の36の建築現場でシャットダウンを行ったのですが、施工会社は単価を上げる要請には応じませんでした。今回の「200カ所」というのは、「それなら……」というエスカレーションです。
つまり、チキンレースの様相を見せています。
(吉田ハンチング@dcp)