韓国は輸出が捗(はかど)らないと途端に国が傾きます。韓国政府はこれまで貿易のもうけを示す貿易収支が減少、赤転しても輸出が増加しているので大丈夫だ、と主張してきました。
全然大丈夫ではありません。しかし、なぜ輸出が増加しているのでしょうか。
政府系シンクタンク『韓国産業研究院』(略称「KIET」)がこの点について興味深いリポートを出していますので、以下にabstractの部分を引きます。
韓国の輸出が04月まで14カ月連続2桁の増加率を見せて好調を続けている。
最近の輸出好調は、韓国だけではなくグローバルな現象で、大きく4つの要因から起因するものと見られる。
まず、コロナによる低迷からの迅速な景気回復に伴う反転効果である。
韓国の場合、2021年上半期までの輸出増加はこの効果によって説明される。
第二に、感染症脅威の部門間の違いによるサービスから財貨(特に耐久財)への需要移転効果である。韓国の輸出は財貨の比重が支配的であるため、こうした効果は輸出増加率を高める。
第三に、グローバルインフレによる輸出価格の上昇だ。
4月の輸出の場合、石油製品、石油化学、鉄鋼輸出の増加は主に価格効果に起因する。
最後に、デジタル化の加速に伴う関連輸出増加効果である。
上記の輸出好調要因の大部分は、コロナ脅威変動の性質に関連する短期的性質のものである。
その点でこれらの要因が解消されると、輸出はコロナ以前の傾向に回帰する可能性が高い。
世界金融危機以降からコロナ勃発以前まで、韓国の輸出と世界貿易は長期間不振な傾向を見せた。
当時の世界貿易不振の背景は先進国の反世界化世論、保護主義強化、米中貿易葛藤などで、このような要因はまだ進行中だ。
特に最近のウクライナ戦争と中国のコロナ拡散、グローバルインフレは貿易環境をさらに悪化させると予想される。
こうした点を考慮すると、最近の輸出好調にもかかわらず、今後の輸出見通しは明るくない。
⇒参照・引用元:『KIET』「最近の輸出好調の背景と意味」
韓国の輸出は「14カ月連続2桁の増加率」を見せて好調ですが、それは4つの短期的な要因によるもで、「今後の輸出見通しは明るくない」と結論付けています。
(吉田ハンチング@dcp)