2022年もすでに下半期に入りましたが、韓国経済の先行きが懸念されています。
2022年上半期の業績
2022年上半期までの経済指標をいったんまとめてみます。
2022年上半期が終わった時点で、韓国にとって最重要の貿易でのもうけ(貿易収支)は非常に低迷しています。まだ、国際収支統計の方は出ていませんので、産業通商資源部が公表している輸出入動向では以下のようになります。
2022年貿易収支(通関ベース)
01月:-47.72億ドル
02月:9.00億ドル
03月:1.93億ドル
04月:-24.65億ドル
05月:-17.10億ドル
06月:-24.72億ドル
小計:-102.96億ドル※速報値から確定値になっているため以前の記事でご紹介した数字からブレがあります
⇒参照・引用元:『韓国 産業通商資源部』公式サイト
2021年は上半期で「173.00億ドル」でしたので、2022年は貿易収支が天地で「約276億ドル」も減ったのです。
さらに、ウォン安が急進し06月のドルウォンレートの終値は「1ドル=1,287.51ウォン」。01月の始値は「1ドル=1,214.17ウォン」ですから、約6.0%もウォンの価値が下落しました。
「下半期は曇天」という話
とにかく韓国という国は「輸出を伸ばしていくしかない」のです。輸入がどれほど増加してもそれを上回る輸出で稼がないと経常収支が赤転化する可能性があるからです。
で、下半期の輸出の見込みですが、これが曇天という他ありません。今にも泣き出しそうな空模様です。
下半期がダメそうな3つの理由
理由は3つあります。
①半導体
韓国の輸出はますます半導体頼みになってきていますが、半導体の輸出鈍化が明瞭になってきているのです。以下は対前年同期比での半導体輸出の増加率の推移です。
半導体輸出額の増加率
01月:+24.2%
02月:+23.8%
03月:+38.0%
04月:+15.8%
05月:+15.0%
06月:+10.7%⇒参照・引用元:『韓国 産業通商資源部』公式サイト
上掲のとおり、半導体輸出は減速しています。
②中国市場の明らかな減速
中国経済にガタがきています。韓国は対中国の貿易で今まで巨額を稼いできたのですが、対中国貿易収支が赤字に転落するなど、明らかに曲がり角に差し掛かっています。
05月:-10.99億ドル
06月:-12.14億ドル
しかし、韓国の輸出相手国で最大の金額を稼いでいるのは、やはり中国なのです。中国頼みの輸出構造を急に変えることはできません。貿易でのもうけが出なくても(=貿易収支が赤字になろうが)中国への輸出を拡大しなくては仕方がないのです。
先にご紹介しましたが、これは、中国企業の技術力が韓国企業に追いつき、韓国製品を輸入しなくても済むようになってきたという現状を反映しています。
韓国メディアは「愛国消費」と呼んでいますが、国産品が満足のいくクオリティーであれば、中国の消費者の皆さんが中国製品を使うのは普通のことです。やがて韓国は、中国からの輸入の方が多くなって対中国貿易では利益を出せなくなるでしょう。その兆候は上掲のようにすでに現れています。
③世界的景気減速による消費の低下
世界的な景気減速が懸念されていますが、これにより消費が低下すると見込まれています。輸入というのは外国からする消費ですので、消費が低迷すれば、当然韓国のような輸出頼みの国は甚大な影響を受けます。
書いていても気が滅入ってきますが、というような状況ですので、下半期の韓国の輸出は曇天です。輸出一本で食べている国ですので、当然輸出が曇天なら経済も曇天です。しかも、資金流出が大変に懸念される状態となっています。
今にも泣き出しそうな空模様です。
(吉田ハンチング@dcp)