そんなこと言ったって仕方がないじゃないですか――という話です。
2022年03月16日、韓国を代表する企業『サムスン電子』の第53期定期株主総会が開催されました。今回の株主総会が注目されていたのは、株主訴訟が提起されていたからです。
GOS事態で株主総会が荒れた
韓国では「GOS事態」と呼ばれています。
GOSとは「Game Optimizing Service」の略で、そもそもはゲームアプリを動作させたときにデバイスのパフォーマンスを調整するための機能――という話でした。
ところが、他の多くのアプリでパフォーマンスの低下が観測され、タチの悪いことに「ベンチマークアプリ」ではそれは見られなかったのです。
つまり、ベンチマークアプリでは高性能な結果が出るようにして、他のアプリは低速で動かすという、いささか疑念を抱かざるを得ない仕様のスマホをリリースしたのです。
これは発熱問題に対処するためのズルと考えられています。
この発覚によって『サムスン電子』の最新スマホには市場で「?」という評判が立ってしまいました。低速で動作する1万以上のアプリのリストも流出したのです。
このような事態を受けて、ネイバーカフェで「ギャラクシーGOS集団訴訟準備室」が結成され、法務法人が実際の訴訟を準備するような状況に発展。
株主総会でも、いの一番に出た質問はこの点についてでした。
本件を報じた『inews24』によれば、ある株主が「ギャラクシーS22シリーズの性能を制限しておいて最大性能だと過大広告をした」「該当論議について会社はどんな考えであり、謝罪する意向があるか」と質問。
韓宗熙(ハン・ジョンヒ)『サムスン電子』副会長兼CEO(DX部門長)が頭を下げ謝罪したのこと。
⇒参照・引用元:『inews24』「『GOS議論』に突然株主… ハン・ジョンヒ、頭を下げて謝罪」
株価低迷の責任?
株主総会前日の韓国メディアには、本件の他、今回の株主総会では「株価が低迷している理由を経営陣に問いたい」といった声も上がっていると報じていました。
確かに、『サムスン電子』の株価は以下のように低迷してはいます(チャートは『Investing.com』より引用)。
しかし、ここのとこと『サムスン電子』に経営上の大きなチョンボがあったわけではなく(GOS問題はともかく)、「なぜ株価が下がったんだ」と問われても明確に答えることは難しいでしょう。
韓国株式市場に占める『サムスン電子』関連株の比重は3割にも達しますので、「なんとかしてくれ」という株主の気持は理解できますが、言っても詮ないことではないでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)