2025年05月06日、『IIF』(Institute of International Financeの略:国際金融協会)が「 Global Debt Monitor(債務モニター)を公表しました。
これは、2025年第1四半期までのデータを総括するものですが、韓国については懸念される状況が深まっています。
まず懸念されるのは「家計負債」です。ピークをつけた2021年第3四半期には対GDP比率で「99.3%」でした。
Money1でもご紹介してきたとおり、『韓国銀行』もここから漸減してきています。
しかしながら、2025年第1四半期時点で「家計負債対GDP比率:90.3%」といまだに高水準で「借金積み過ぎ状態であることに変わりはありません。
これは調査対象国38カ国中、ワースト第2位です。
第1位はカナダで「100.4%」ですが、
イギリス:76%
日本:61.8%
中国:61.1%
※38カ国平均:59.2%
となっているので、韓国がいかにひどいデータであるのかが分かります。
家計負債は、尹錫悦(ユン・ソギョル)政権時代の融資制限などによって抑えられてはきましたが、それでも外国と比較して悪い結果であることは確かなのです。
家計負債と企業負債を足した「民間負債」で見ると、面白いことが分かります。
これは『韓国銀行』もBOKイシューノートで指摘しているので、先にMoney1でご紹介した内容とかぶるのですが――韓国の民間負債(企業負債 + 家計負債)は、2024年3四半期時点で「対GDP比:201.9%」に達しています。
日本のバブル崩壊が決定的になった1992年の民間負債は「対GDP比:208%」でした。
この数字だけ見れば、韓国はそろそろ負債を積みすぎて危ないのではないのか――となっているのです。
これは『IMF』の論文でご紹介しましたが、負債は別に悪いことではありません。
借金をして投資に回し、将来の経済成長につなげる――というのはどの国も通る道であり、経済成長していけば問題はない話です。
しかし『IMF』の論文は、負債をいくら積み増ししても経済成長が過去のように行えなくなる臨界点があるのだ――と指摘しています。
その例として挙げられたのが、韓国と中国です。
この両国はすでに臨界点を超えているのだ――という非常に興味深い指摘がされました。恐らく当っているのでしょう。
つまり韓国は、負債を増やしてこれまでのような経済成長を遂げるのは無理――というフェイズに入っているのです。
さあ、韓国の新大統である領李在明(イ・ジェミョン)さんはどうするでしょうか。
まあこの人の場合、出たとこ勝負でホラばかり吹いて、経済的な知識もいい加減な人なので、特に何も考えてはいないでしょうけれども。
ちなみに、韓国の民間負債と政府負債は対GDP比で以下のようになります。
民間負債(企業負債 + 家計負債):201.9%
政府負債:45.3%
計(三部門合計):247.2%
(吉田ハンチング@dcp)