『IDU』という組織があります。『IDU』が、韓国を名指しして批判する決議を出しました。
『IDU』とは何か? 世界各国の自由民主主義政党が参加する国際組織
この文書の重みを理解するためには、『IDU』という日本ではあまり知られていない組織についてご紹介しなければなりません。
IDUは「International Democracy Union」の略で『国際民主同盟』と訳されます。
『IDU』が結成されたのは1983年06月24日。
マーガレット・サッチャーさんは以下のように述べています。
(前略)
『IDU』につながった事業も、『IDU』自体も、政府とは異なる政党連合が将来、創造的な国家運営のための真に新しい機会を提供する可能性があるという認識から生まれたものです。ここに代表されているすべての政党は、それぞれの出身国と同様に、それぞれ異なる歴史を持っています。私たちは皆、それぞれの個性に誇りを持っています。しかし、多様性はあっても、普遍的な原則を共有しています。
確かに、自由と正義には国境はありません。
議長、自由国家は平和国家です。
民主主義国家は今世紀、幾度となく自衛を迫られました。しかし、互いに戦ったことは一度もありません。自由の敵に惑わされて、この近年の歴史における単純でありながら最も心を躍らせる事実を忘れてはなりません。
(後略)⇒参照・引用元:『マーガレット・サッチャー財団』公式サイト「1983年06月24日(金) マーガレット・サッチャー 国際民主同盟での演説」
『IDU』は、自由民主主義を標榜する世界各国の保守系政党が参加する国際的な政党ネットワーク(国際同盟)で、加盟政党が共有・調整するための「場」を提供する組織です。
日本人が誇らしく思うべきなのは――『IDU』がEDU(『欧州民主同盟』)とPDC(『太平洋民主同盟』)が統合して『IDU』ができたことで――『PDU』には日本も参加しており、上記サッチャーさんの歴史的演説にも――、
(前略)
太平洋民主連合の友人の皆さま、そして日本の皆さまに、心からご挨拶申し上げます。特に、今日私たちを結集させた信念の揺るぎない支持者である、アメリカ合衆国副大統領ジョージ・ブッシュ氏に深く感謝申し上げます。
(後略)
と言及されていることです。
安倍晋三首相の「自由と繁栄の弧」という戦略思考と根っこは同じです。自由民主主義という基盤の上にしか「仲良く」などできないし、だからこそ安全保障が行える――のです。

上掲記事でご紹介したとおり、合衆国は安倍晋三首相の「自由と繁栄の弧」を借用して「自由で開かれたインド太平洋」へと(覇権国家にふさわしい)概念へと発展させました。
ロシアが無法にウクライナに攻め込み、中国が全方位的に周辺国を圧迫している現在こそ、『IDU』はもっと注目されるべきでしょう。
――その『IDU』が、2025年12月05日、韓国の現状を痛烈に批判する「決議」を出しました。
韓国の「おしまい」を憂慮する『IDU』の決議案
以下が『IDU』公式サイトが出した決議を紹介するページです。太極旗がくしゃくしゃになったイメージが併せて掲載されています。韓国の現状を象徴する写真となっており、ピッタリです。
大韓民国における民主主義の原則および法の支配に関する決議
2025年12月05日2025年12月05日、ワシントンD.C.において
韓国の国民の力党(People Power Party)により承認国際民主同盟(International Democracy Union:IDU)は、次のとおり決議する。
1.核心的価値およびパートナーシップの確認
国際民主同盟(IDU)は、国民の力党(PPP)が、韓国における真正な保守政党であり、長年にわたり、自由民主主義、市場経済、人権、法の支配という核心的価値をIDUと共有してきたことを確認する。2.民主主義の機能維持
『IDU』は、健全な民主主義は、左派と右派という二つの健全な翼が均衡をもって機能するときにのみ維持され得ると断言する。また、この文脈において、韓国における保守政党の活動を人為的に弱体化させようとするいかなる試みに対しても、『IDU』は引き続き細心の注意を払っていくことを表明する。司法制度改革および一方主義
『IDU』は、超党派的な合意を欠いたまま、一方的な政治勢力によって主導されている韓国の司法制度内部における変化に留意する。また、これが一つの政治勢力による一方的支配を招くことにより民主主義への脅威とならないよう、すべての加盟政党に対し警戒を怠らないよう促す。
宗教の自由
『IDU』は、韓国が宗教の自由を認めている国家であることを認識する。また、この基本的権利に関する状況について、『IDU』が引き続き監視していくことを表明する。⇒参照・引用元:『IDU』公式サイト「Resolution on Democratic Principles and Rule of Law in the Republic of Korea」
――要は、「オレたちは韓国を見ているからな」という表明です。
Money1でも何度もご紹介してきたとおり、韓国の現況もはや自由民主主義国家ではありません。
大統領に成りおおせた李在明(イ・ジェミョン)さんとその愉快な仲間たちが主導する「左派・進歩系人士による独裁体制」が構築されているからです。
この決議には、保守寄りとされる政党『国民の力』について『IDU』とのパートナーシップを認める――となっていますが、さあそれで大丈夫でしょうか――です。
世にもアホらしいことに、その保守寄り『国民の力』で内紛騒ぎが起こっているからです。
説明するのも面倒くさくてばかばかしいので(その上長くなります)別記事にしますが、『国民の力』を『IDU』の信頼できる「韓国の政党」としていいのか――は怪しくなってきています(2025年12月21日現在)。
現在の党首である張東赫(チャン・ドンヒョク)さんは信用できるかもしれませんが、党としてはいかがなものでしょうか。
――いずれにしても、『IDU』が「韓国の現状」について憂慮し、批判しています。
(吉田ハンチング@dcp)





