日本『INPEX』が韓国『大宇造船海洋』に1.2兆ウォンの損害賠償請求! なぜできないものを受注するのか

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事態は非常に深刻です。

日本の『INPEX』が韓国の『大宇造船海洋』に1兆2,712億ウォンの損害賠償を請求していることが分かりました。

2022年08月05日、韓国金融監督院の『DART』に公示されて判明しました。

『大宇造船海洋』は『INPEX』に1.2兆ウォンを支払え

以下が公示です。ご覧ください。

『韓国金融監督院 公示システムDART』公式サイト

「『国際石油開発帝石株式会社』(INPEX)ってどこかで聞いたような……」と思われるかもしれません。

2022年01月17日に「島根・山口県沖合において石油及び天然ガス賦存の可能性を探るため試掘調査の実施を予定している」と公表した日本企業です。

⇒参照・引用元:『国際石油開発帝石株式会社』公式サイト「島根・山口県沖合における試掘調査の実施について(お知らせ)」

韓国にも近い試掘ポイントだというので、「位置を教えろ」などと韓国からねじ込まれたりしましたので、読者の皆さまも記憶していらっしゃるのではないでしょうか(以下記事参照ください)。

韓国側が「試掘ポイントは日本側」と確認――と報道。
出遅れましたが、気になっている方が多いかもしれませんのでご紹介します。結論からいえば「日本のEEZ内」と韓国側も確認した模様です。例の、日本の『国際石油開発帝石株式会社』(INPEX)が2022年01月17日に出した「島根・山口県沖合におけ...

上掲のとおり、『INPEX』は『大宇造船海洋』に対して1兆2,712億ウォンもの損害請求を行っています。ドル建てにすれば「約9億7,060万ドル」という巨額です。

納期までにできませんでした!

なぜ、このような巨額を『INPEX』が損害賠償請求しているのでしょうか。

公示によると『大宇造船海洋』自身は以下のように説明しています。

当社は、2012年に『INPEX』社から海洋生産設備であるFPSO(Floating Production Storage and Offloading)1基を受注し、2017年に造船所から出港を完了。

2019年までにオーストラリア海上で原油生産開始のためのコミッショニング準備作業(Ready for Commissioning)を完了しました。

-しかし『INPEX』社は、コミッショニング準備作業の遅延および欠陥を主張し、当社に損害賠償を請求した状況です。

これに関して、当社は『INPEX』社が請求した損害賠償金額および根拠が不合理であると判断しています。

当社は『INPEX』プロジェクトに関するリスクを総合的に判断し、会計上予想される損失金額を計上しました。

-当社は『INPEX』社の仲裁提起による財務的影響を最小化し、当社の契約上残金回収のために仲裁手続に積極的に対応していく予定であり、これと並行して円満な解決のために継続的に努力する予定です。
(後略)

『韓国金融監督院 公示システムDART』公式サイト

『大宇造船海洋』が『INPEX』から受注したFPSOというのは、以下のような巨大な海洋プラントです。

これは20億ドル規模のビッグプロジェクトとされ、『大宇造船海洋』は2016年の09月末引き渡し予定でした。

ところが、上掲の公示で自身が述べているとおり、2017年にようやく造船所から出て、2019年に生産準備に入りました。

つまり、ズルズルと納期が後ろにズレた上に、『INPEX』側は欠陥があったと述べており、その損害賠償を求めているのです。

実は、『INPEX』側は2016年05月段階で、頻繁な設計変更などにより引き渡し時期の延期が続いたため、「工事現場の非効率が深刻に懸念される」という意見表明を行っていました。

できないものをなぜ受注するのでしょうか。

『INPEX』が求めている損害賠償請求の金額は、上掲のとおり『大宇造船海洋』の自己資本の「57.3%」にも達する巨額です。

ポンコツにもほどがある!

Money1でのご紹介してきましたが、そもそも『大宇造船海洋』は今にも飛びそうな赤字会社です。

この金額を決算に組み入れるとしていますが、大赤字になることは火を見るよりも明らかです(まだ第2四半期の決算は出ていません)。

下手をして『大宇造船海洋』が飛ぶことになると、『INPEX』は損害賠償金を取りはぐれるかもしれません。どうしてくれるつもりなのでしょうか、『大宇造船海洋』は。

一応念のために付記しますが、『大宇造船海洋』は韓国でも最大手、Top3に入る造船企業なのです。

(吉田ハンチング@dcp)

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