あらかじめ書いておきますが「なにを今さら」は筆者の弁ではありません。韓国メディアの記事がそいういっているのです。
中国では現在深刻な電力不足が表面化しています。石炭不足・石炭の価格高騰による火力発電所での燃料不足(先にご紹介したとおり中国当局も認めています)、水不足による水力発電所での発電量の低下などが原因です。
実は、韓国でもここにきて今夏の電力不足が緊急の課題としてクローズアップされています。
2021年06月30日に開催された「第23回エネルギー委員会」で産業通商資源部の文勝煜(ムン・スンウク)長官が「「夏の電力需給が容易でないと予想されている」と認めています。
なぜ韓国が電力不足になるのか?
まず、現文在寅政権は大統領の肝いりで「クリーンエネルギー政策」を協力に推進。
脱原発を掲げていたため、いまだ経済性があると判断された原子力発電所を基本全廃する方向で走りました。
大統領に忖度した官僚と『水力原子力発電』の合作のような形で「月城1号機」の廃炉を決定。建設が決まっていた4発の原発をペンディングし、原子力発電所の代わりに太陽光・風力発電施設を大量に建設しています。
これは現在も進行中ですが、とても原子力発電所を代替できるような発電量ではありません。その上、韓国政府は「二酸化炭素削減」で石炭火力発電所を止めてしまっています(まだしもクリーンとされるLNG火力発電所を稼働させている)。
今夏は平年以上の暑さが見込まれていますので、消費量が2018年07月に記録した「9,247万kW」を超える場合には電力量が足りなくなると予想されます。
それだけではなく、電力業界では電力需要が「9,400万kW」に達するかもしれないと見ているのです。「じゃあ全然足りないじゃん」なのです。
緊急に石炭火力発電所を再稼働する案も検討されているのですが、石炭はあるのか?という話が……。中国と違ってオーストラリアに頼めばいいのでしょうが、そんなスグには来ないのですよ。なにせ海を渡ってきますので。スポットですと割高になりますし。
電力不足・停電が起こっているのに一向に事態が改善せず、時の大統領、李明博(イ・ミョンバク)さんが電力会社に怒鳴り込んだという伝説があります。
今夏、文大統領が同じようなことをしないといいのですが……。
(吉田ハンチング@dcp)