ドックが労組に占拠されて二進も三進もいかなくなっている韓国の造船大手『大宇造船海洋』。
下請け労働組合によるドック占拠はまだ続いており、2022年05月31日06月02日から開始されてすでに50日を超えました。
韓国メディアには、
そもそも倒産しそうだった『大宇造船海洋』に血税を投入して救おうとしたのが間違いだったのではないか
――と、今さら過去の政府の姿勢を問うような社説記事が出ています。
『韓国経済』の記事から一部を引用してみると、こんな具合です。
造船業がせっかく好況を迎えたが、『大宇造船海洋』は船を作るほど損害が出る。
今建造中の船舶は船価が低い時期に受注したものだが、鋼板など原材料価格が急騰したためだ。
(中略)
このような情勢であるのに、下請け労組の不法占拠ストライキで、すでに6,000億ウォンを超える損失まで抱えたので、今後は暗い。
直近では、下請け労組の不法ストライキを終息させることが焦眉の急だが、それよりも根本的に『大宇造船海洋』の競争力と自力更生力を問わざるを得ない。
沈没直前の会社を救おうと国民の血税(公的資金)を12兆ウォン投入したが、焼け石に水になった格好だからだ。
『現代重工業』グループに買収合併されたなら生存基盤を固めることができただろうが、欧州連合(EU)の反対に遭って座礁した。
赤字だらけの不良企業をいつまで政府(産業銀行持分率55.7%)が抱きしめていなければならないのか冷徹に悩むべきだ。
(後略)
これまでに巨額の資金を投入し、合併の絵図も描いたのに失敗。結局赤字の企業から脱却できていません。赤字なのに、下請け会社の労組からは賃上げ要求が出て、ドックが不法占拠される。
「もう政府は『大宇造船海洋』から手を引くべきではないのか」という指摘が出て当然です。
韓国政府は最後通告を出したものの、警察による退去措置などにはいまだ手をつけていません。
しかし本日、2022年07月22日、ついに不法スト排除に踏み込むのではないか、という観測が出ています。韓国政府が実際どのように動くのかにご注目ください。
(吉田ハンチング@dcp)