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韓国政府は必死!韓国銀行が「1,200億」出す羽目に。「韓国政府にはお金がないんだなぁ」という話

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韓国金融当局は「利上げ」を巡ってドタバタになっています。

2022年07月24日、韓国の企画財政部は日曜日だというのに「緊急マクロ経済金融会議」を開催しました。

これは22日に『欧州中央銀行』が0.5%(=50bp)のビッグステップの利上げを選択したためです。

インフレ対応が後手に回ったため、『欧州中央銀行』は予告の2倍の利上げを行わざるを得なくなったと評価されています(06月には「0.25%」と予告していた)。

利上げで苦慮している韓国金融当局もこれに驚き、会議が招集されたというわけです。以下が企画財政部が出したプレスリリースですが、注目ポイントを和訳します。

秋慶鎬(チュ・ギョンホ)副首相兼企画財政部長官は「2022年07月24日(日) 14:00ソウル銀行会館で「緊急マクロ経済金融会議」を開催した。

ㅇ今回の会議はマクロ経済・通貨・金融・外国為替を担当する経済副首相、『韓国銀行』総裁、金融委員長、金融監督院長の経済首席がすべて参加した初の公式会議である。

ㅇ本日の会議では、

国内外の金融市場動向を確認し、経済状況に対する認識を共有する一方、去る07月14日に開かれた大統領出席の緊急経済民生会議の後続措置として

金融部門民生安定主な課題推進計画を点検した

-併せて、

最近の金利上昇が脆弱部門におよぼす影響及び対応方法に関係機関が一緒に議論した

⇒参照・引用元:『韓国 企画財政部』公式サイト「緊急マクロ経済金融会議の開催」

上掲のとおり、この会議は韓国金融当局のTopが顔をそろえた初の会議となりました。いかに状況が切迫しているのかが分かります。

韓国政府は必死です

この会議において、秋長官は以下のように話しています。ちょっと長くなりますが全文を引用します。面倒くさい方は強調文字、赤アンダーラインのところだけお読みください。

緊急マクロ経済金融会議を開始いたします。

先週、欧州中央銀行(ECB)が11年ぶりの大きな金利引き上げを断行し、今週アメリカ合衆国連銀の追加的な金利引き上げが予想されるなど、グローバル通貨緊縮のスピードが一層早まっています。

世界がインフレと景気鈍化の懸念という重複した不確実性の中で最適解法を求めていく過程にあり、私たちの経済も例外ではありません。

このような状況下で何より重要なのは、海外発の危機要因が国内に転移・拡散しないように対内外リスク管理に万全を期すことです。

外では対外衝撃を緩衝する防波堤を強くする一方、中では特定部門に漏れがないか、細心の注意を払って先制的な点検と対応策が必要です。

インドネシア・バリで開催されたG20財務長官会議に続き、ソウルで開催された米韓財務長官会議は対外安全網拡充のためのこうした努力の一環です。

特に、去る火曜日(7.19日)イエレン米財務長官とは両国が外国為替関連問題に対して先制的に協力することとし、必要に応じて流動性を供給する仕組み(liquidity facilities)など多様な協力案を実行する余力があることを確認しました。

また、先週発表した税法改正案に非居住者や外国法人が保有する国債と通貨安定証券に対する利子と譲渡所得を非課税とする方案を含め、外国人の国債市場への投資誘引も強化しました。

国内的には金融リスクに先制的に対応し、庶民・脆弱階層に対する選別的金融福祉を強化するため、07月14日大統領隣席の下、非常経済民生会議で金融部門民生安定方案を発表しています。

高まった変動金利を固定金利に変える45兆ウォン規模の安心転換ローンを供給して庶民・青年層住宅負担を緩和する一方、低金利転換ローン(8.5兆ウォン)と新出発基金(30兆ウォン)などを通じてコロナで打撃を着た小商工人・自営業者の金融隘路を和らげます。

特に、準備した課題の成功的な履行のため、政府と関係機関は計画樹立から執行・点検まで頭を合わせて協力していきます。

変動金利を固定金利に変える安心転換ローンを安定的に供給するため、政府が去る05月の2次追加予算を通じて住宅金融公社に1,090億ウォンを支援したのに続き、『韓国銀行』も今年1,200億ウォンを出資する予定です。

来年も政府と『韓国銀行』は合計4,000億ウォン以上を追加出資し、家計負債の構造改善作業をスピード感よく推進します。

来年までに予定された安心転換融資が支障なく供給されれば、銀行圏の家計融資変動金利の割合は78%水準から73%以下に最大5.0%ほど下落(22.5月基準で77.7→72.7%)すると期待されます。

また、安心転換ローンの財源調達のための住宅金融公社の住宅抵当証券(MBS)発行時にも債券市場のボラティリティが高まらないように、政府と『韓国銀行』は多角的な措置を講じています。

今日の会議に新たに就任した金周顕(キム・ジュヒョン)金融委員長が共にすることで、マクロ経済・通貨・金融・外国為替当局と機関が完全体となりました。

今後も当社マクロ・金融チーム、すなわち、企画財政部、『韓国銀行』、金融委員会と金融監督院は、公開会議体だけでなく非公開的にも随時会い、国内外の経済・金融状況に対する認識を共有しながら、これまで以上に警戒心を持って対内外リスク要因を綿密にモニタリングする一方、金利上昇などによる不確実性に先制的に対応しながら最適な政策(policy mix)を行っていきます。

ありがとうございました。
(全発言終了)

⇒参照・引用元:『韓国 企画財政部』公式サイト「緊急マクロ経済金融会議の開催」

ひと言で評すなら「必死だな」です。

韓国の金融当局は全力を挙げて「経済危機が到来しないようにする」つもりです。

中央政府が政策支援でお金を出す?

上掲のとおり、この会議において、先にご紹介した尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領臨席の会議で決まった「民生安定策」を進めるための後続措置も話し合われました。

事実上の「徳政令」の件です。

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ご注目いただきたいのは、「変動金利を固定金利に変える安心転換ローン」です。これは、要するに「低金利で固定金利ローンを用意するので乗り換えなさい」という「ロールオーバーの薦め」なわけですが、とうとう『韓国銀行』もお金を出すことになりました。

『韓国銀行』が『住宅金融公社』に投入することになったのは「1,200億ウォン」とわずかです。

しかしながら、政府が財政を投入するだけでは済まず、中央銀行までお金を出さなければならないというのは異例という他ありません。

そもそも政策支援で中央銀行がお金を出すなんて話は「いかに政府にお金がないか」を証明しているともいえるのです。また、インフレ対策で金利を挙げてお金の量を絞ろうという『韓国銀行』が「お金を供給する政策」を支援するというのは、いかがなものでしょうか。

現段階では「1,200億ウォン」と少額ではありますが、事態が進行すると韓国政府から「もっと出せ」といわれそうでもあります。

韓国政府の「必死の防衛戦」が成功を収めるのかどうかにご注目ください。

(吉田ハンチング@dcp)

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