韓国の家電産業で製品が売れず、在庫が積み上がって絶不調となっています。
韓国メディア『韓国経済』の記事冒頭には、名前は伏せられていますがW社の様子が以下のように書かれています。
21日、業界によると、W社は最近、従業員を対象に無給休暇を要請したり、辞職を要求し始めた。
経営難による構造調整だ。
実績悪化が予想より深刻で、現在の状態では正常経営が難しいという判断からだ。
同社社員は09月から11月まで3カ月間給与を受けられなかった。
今月25日の給料日にも支給の可能性が不透明だと伝えられた。
会社側は月給の一部でも支給すると銀行に融資を頼んでいるが、高金利のせいで容易ではない雰囲気だ。
すでにこの会社の職員数は昨年末より約40%減った。
会社内部では「歴代級経営難」という話が出ている。今年純損失は1,000億ウォンを上回ると予想されている。
工場稼働も事実上停止した状態であると分かった。
W社の関係者は「製品が売れないため、倉庫に在庫が山のように積まれており、工場で製品を生産できない水準」と話した。
在庫資産をお金に換えられず、キャッシュフローが停滞し、工場稼働率まで落ちる悪循環が起きたのだ。
(後略)
この家電会社は3カ月も給料を支給しておらず、12月25日の給料日にも支払えるかどうか分からないというのです。
すでに従業員が2021年末と比較して40%も減少。
韓国の家電業界がひどい状況となっているのは、実は大手でも同じです。在庫が急増していることがその苦しさを示しています。
以下は、2021年と2022年第3四半期での韓国家電大手3社の在庫金額比較です(スマホでは表組は横にスクロールできます)。
2021年末 | 2022年3Q | 増減率 | |
サムスン電子 | 22兆3,784億ウォン | 27兆974億ウォン | +21.1% |
LG電子 | 3兆7,642億ウォン | 3兆8,418億ウォン | +2.1% |
SKマジック | 559億ウォン | 809億ウォン | +44.7% |
あの『サムスン電子』ですら3四半期で在庫が21.1%も増加。『LG電子』は2.1%の増加で済んでいますが、『SKマジック』は44.7%も在庫が増加しています。
韓国の家電産業は急速に苦しくなっています。このまま弱体化を続けるかどうかにご注目ください。
(吉田ハンチング@dcp)