韓国への投資を控える。韓国からお金を抜く。

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2025年01月07日、『韓国銀行』が2024年11月の国際収支統計のデータを公表しました。経常収支は先にご紹介しましたが、今回は問題の金融収支にいきます。

韓国への直接投資が激減した

金融収支のうち、まずは直接投資です。以下をご覧ください。

直接投資は、

韓国から外国への投資(資産の部)
外国から韓国への投資(負債の部)
収支(資産 – 負債)

で計上されます。負債の部、つまり外国から韓国への投資はマイナスで、たったの「130万ドル」しかありません。

マイナスということは、外国は韓国から直接投資を引き上げたのです。

証券投資で韓国から資金流出方向

次に証券投資。証券投資は、その名のとおり、証券に投資した金額の収支を示しています。

韓国から外国証券への投資(資産の部)
外国から韓国証券への投資(負債の部)
収支(資産 – 負債)

まず驚くのは以下の部分です。

11月は証券投資「資産の部」金額は、たったの「3億9,140万ドル」しかありません。つまり、韓国から外国証券への投資はわずか3.9億ドルがあっただけ――なのです。こんな小さな金額はあまりお目にかかりません。

2024年の証券投資「資産の部」金額の推移をグラフにすると以下のようになります。

10月の「29億1,300万ドル」も低調な金額ですが、11月は対前月比で外国への証券投資が約86.6%も激減しました。

同じく証券投資の負債の部、すなわち「外国から韓国証券への投資」もてんで駄目です。


↑11月の黄色のマーカーでフォーカスしたセルにご注目ください。意味は以下です。

外国から韓国証券への投資(証券投資・負債の部)
株式投資:-32億7,000万ドル
債券投資:11億4,880万ドル
小計:-21億2,120万ドル

マイナスなので、韓国証券にお金を入れるどころか、外国は株式を売却して32.7億ドルを抜き、債券には11.4億ドル入れて、計21.2億ドルの資金流出です(外国は韓国の資産を減らした)。

その他投資でも資金流出している

「その他投資」でも非常に興味深い結果になっています。その他投資は、外国との融資の取引などを計上する項目です。

上掲と同様に、

韓国から外国への融資etc(資産の部)
外国から韓国への融資etc(負債の部)
収支(資産 – 負債)

となる項目で、当月は以下です。


↑黄色のマーカーでフォーカスしてあるのがその他投資の収支と資産の部(の合計)です。負債の部の合意はずっと右なので一つの画像に入れられませんでした。誠に申し訳ありません。

2024年11月
その他投資・資産の部(韓国から外国への融資etc):-37億4,540万ドル
その他投資・負債の部(外国から韓国への融資etc):-49億7,260万ドル
収支:12億2,720万ドル

資産の部、負債の部、両方ともにマイナスなのでややこしいのですが、マイナスということはその分の資産が減少したことを意味します。

つまり、韓国は資産・負債の両方で「資金が減少した」のです。収支が何を意味しているかというと、「韓国が減少させた外国資産」と「外国が減少させた韓国資産」を比較すると、「韓国が減少させた外国資産」の方が12億2,720万ドル分少なくて済みました――ということです。

ただし――。

資産の部のマイナスは、韓国から外国への融資や預金などが、37億4,540万ドル分減少したことを示します。外国からその分韓国が債権を回収したことを意味しますから、韓国からするとキャッシュインです。

負債の部のマイナスは、外国から韓国への融資や預金などが、49億7,260万ドル分減少したことを示します。外国がその分韓国から債権を回収したことを意味しますから、韓国にとってはキャッシュアウトです。

つまり、

韓国へのお金の入:37億4,540万ドル
韓国からお金の出:49億7,260万ドル
収支:12億2,720万ドル(韓国から出ていったお金)

――となるのです。

当月の金融収支が示すのは、外国が韓国にお金を入れなくなり、資金を抜いているという現状です。

さあ、経常収支92億ドル黒字――と喜んでいる場合でしょうかね。

(吉田ハンチング@dcp)

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