『聯合ニュース』が興味深い記事を出しています。
2025年02月末、AIS(Automatic Identification Systemの略:船舶の自動識別装置)を切ったまま黄海を航行していた北朝鮮の貨物船が、黄海、中国南東部のある港近海で中国船と衝突し沈没した――とのこと。
同記事から一部を引用してみます。
13日、対北消息筋によると、先月末、船舶自動識別装置(AIS)を切ったまま黄海を航行していた北朝鮮の貨物船が、中国南東部のある港近海で中国船と衝突し沈没した。
中国当局主導で救助作業が行われたが、一部の船員しか救助されず、北朝鮮の船員15~20人が死亡したとされる。中国船側の被害は軽微だったと伝えられている。
当時の事故海域は濃霧により視界の確保が困難だった。
中国の貨物船がAISを切ったまま航行する北朝鮮船を認識できず、衝突した可能性が指摘されている。
AISは船舶の位置や速度などの情報を送信する装置であり、国際社会の対北制裁監視を逃れるため、北朝鮮船は頻繁にAISを切って航行する。
事故が発生した中国南東部の黄海海域は、北朝鮮の貨物船が石炭を密輸出する際によく利用するルートとされる。
北朝鮮産石炭の輸出は、国連安全保障理事会の対北制裁(決議2371号第8項)に違反する行為である。
(後略)
さらに『聯合ニュース』は、対北消息筋が
「当時、北朝鮮の船舶には石炭が過積載されていたとみられる」
「貨物も船とともに全て沈んだ」
と語った――とのこと。
2025年03月13日、中国外交部の定例記者ブリーフィングで毛寧報道官に、本件について質問したところ、「主管部署に聞いてください」としながらも、「私が伝えられることは、中国は一貫して法律に基づき対外・海洋事務を処理しているという点だ」と述べたとのこと(このやり取りは中国外交部のプレスリリースには含まれていません)。
間接的に認めたわけです。
(吉田ハンチング@dcp)