韓国の化学企業最大手『ロッテケミカル』に懸念を表明する記事がメディアに出るようになっています。
Money1でも先にご紹介したとおり、2024年にはコベナント・ブリーチ(Covenant Breach:財務特約違反)を発生させて※「ロッテグループもいよいよ瓦解か」などのウワサが流布され、否定するため「ロッテタワーを担保に入れてやらあ」と啖呵を切った――ということがありました。

『ロッテケミカル』の業績が悪化しきたのは確かです。2021年こそ「1兆5,363億ウォンの営業黒字」でしたが、翌2022年に赤字転落し、2024年まで3年連続の赤字。
昨年どうだったかというと……以下をご覧ください。

2025年は第1~第4四半期までずっと営業赤字を続けました。
2026年第1四半期になって営業利益「734億ウォン」というっすい黒字になりました。ようやく黒字になったのか――なのですが、この先は大丈夫なのかというと……懸念されているのが借入金の多さです。
以下のグラフをご覧ください。

これは『ロッテケミカル』が負ってる純借入金の推移を示したものです。
Net Debt(純借入金)というのは、企業が実際に負っている実質的な有利子負債を示す指標です。
純借入金 = 有利子負債 − 現金・現金同等物(および短期金融資産)
――で計算されます。簡単にいえば、
・借金が10兆ウォンある
・手元に現金が2兆ウォンある
なら「純借入金は8兆ウォン」になります。
なぜこんな計算をするかというと、例えば、
社債:5兆ウォン
銀行借入:5兆ウォン
で合計10兆ウォンの借金(債務)があっても、預金が4兆ウォンあれば、「実質的な借金は6兆ウォン」と考えられるというわけです。
――それはともかく、『ロッテケミカル』の純借入金は2026年第1四半期にはとうとう「約8兆ウォン」まできました。
2025年末時点では「純借入金:6兆7,046億ウォン」だったのが、2026年第1四半期には「7兆9,190億ウォン」となりました。
3カ月で1兆2,144億ウォンも増加したわけです。
純借入金は企業の財務健全性を見る上で最も重要な指標の一つです。
・純借入金が増え続ける
・営業利益が出ない
(本業で儲かっていない)
・金利が上昇する
(まさに現在)
――という状況では、借金がさらに借金を生むという悪循環に陥りやすくなります。
「純借入金比率」も悪化しています。純借入金比率というのは、
純借入金 ÷ 自己資本
で計算します。要するに借金が自己資本の何割あるかを示します。
『ロッテケミカル』はこれが「38%」から「43%」へ上昇しているのです。
自己資本に対する実質的な借金の重さが増していることを示しています。比率が高いほど財務の安全性は低下し、格付会社や金融機関も厳しく評価します。
――というわけで資金調達環境も厳しさを増しているのです。
韓国の信用格付け会社『韓国企業評価』、『韓国信用評価』、『NICE信用評価』は06月に『ロッテケミカル』の格付け見通しをそろって「ネガティブ」へ引き下げました。
韓国の化学企業最大手『ロッテケミカル』の先行きにご期待ください。
※この件については以下の先記事を参照してください。

(吉田ハンチング@dcp)





