韓国メディア『韓国経済』に「『韓国、1〜2年以内に大低迷くる』… 未来への警告」という非常に興味深い記事が出ました。
同記事は、2020年12月03日に開催された韓国経済ミレニアルフォーラムの忘年会(!)で顔をそろえた『KDI』などシンクタンクの長の予測が「経済の回復は期待よりも遅いだろう」と口をそろえたことを基に書かれています。主旨としては、
②不動産と金融システムが崩壊する可能性もある
①については、Money1でもご紹介してきたとおりで、一例として韓国が全く頼りきっている輸出はすでに下り坂で、コロナ禍で大きくへこみましたが、実はそれ以前から縮小が始まっていたのです。
②については、じゃぶじゃぶ状態になったお金が不動産・株式市場に猛烈な勢いで流れこんでいることへの懸念です。一種のバブル状態ですから、資産価値の急落が起こったらどうなるのか?というわけです。
同記事では『ビッグ・チェンジ、コロナ19以降の未来のシナリオ』を著したチェ・ユンシク先生にインタビューを行っています。注目ポイントを以下に引用します。
(前略)
――最近、半導体景気が続いており、電気自動車のバッテリーなどの他の項目の輸出も堅調では?半導体好況で錯覚を起こした2017~2018年を除けば、韓国の輸出はほとんど増えなかった。
2019年9月の数値は2010年末と似ている。2019年の最低値は2008年7月の高値と差がない。
韓国国内総生産(GDP)が2010年は1兆940億ドルで、2018年の1兆7,200億ドルまで増加する間に実質輸出規模は下落したのだ。
個人的には、韓国の輸出は10年前に後退したという評価である。
(後略)
チェ先生は非常に冷徹です。数字は全くそのとおりですので。さらに以下です。
コロナ19以降、景気が反発するも、多くの国は自国の経済の回復のために保護貿易主義を強化する。
中国企業の追撃も激しくなる中で、韓国の輸出は少なくとも3〜4年間、困難な状況から抜け出せないだろう。
これは、すでに成長率の下落で可視化されている。
アメリカ合衆国の経済成長率が5%から2%まで落ちるのにかかった時間は34年だった。
ドイツは27年で、日本は25年かかった。
しかし、韓国はわずか7年しかかからなかった。
1%台に墜落するのにかかった時間は日本は4年、韓国は1年である。合衆国とドイツはコロナ事態まで2%台の成長率を維持していた。
――コロナ19以前に構造的な問題で韓国経済が低迷するということか?
そうだ。(後略)
いかがでしょうか。チェ先生の見方は韓国にとって厳しいものかもしれませんが、まさに正鵠を射たものではないでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)