例の、『LGエネルギーソリューション』『SKイノベーション』、韓国企業同士の訴訟の件です。
アメリカ合衆国大統領の拒否権発動まで求めて、大騒動になりましたが、拒否権発動の期限ギリギリに劇的に和解(というか妥協)が成立しました。
当事者の『LGエネルギーソリューション』から公式なプレスリリースが出ていますのでご紹介します。以下です。
これにより、2019年4月から行われた全ての訴訟手続きは終了されることになった。
両社は今回の合意を通じて、
◇『SKイノベーション』が『LGエネルギーソリューション』に総額2兆ウォン(現金1兆ウォン+ロイヤリティー1兆ウォン)を合意された方法に基づいて支給する
◇関連国内外争訟を全て取り下げ、今後10年間追加争訟を行わない
『LGエネルギーソリューション』イ・ゼチァン社長と『SKイノベーション』キム・ジュン社長は「韓米両国電気自動車電池業界の発展のために健全な競争と友好的な協力を行う」
「特に米国バイデン政府が推進しているバッテリーのサプライチェーンを強化し、これを通じた環境に優しいポリシーに共同で努力する」と明らかにした。
加えて「合意のために多くの努力を傾けてくださった韓国と米国政府関係者に感謝する」と付け加えた。
『LGエネルギーソリューション』は和解金として「3兆ウォン」(約2,910億円)を要求していたと伝わりますので、1兆ウォン下げたところで妥協したわけです。
一方の『SKイノベーション』は、和解金を「1兆ウォン未満」(約970億円未満)と頑張っていました。ちょうど両社の主張の中間点で落としどころとなったわけです。
上掲のプレスリリースでは引用した箇所の下に以下のように続きます。
まず、訴訟の過程で多くの関心と激励を送ってくださった当社の株主、顧客、従業員などすべてのステークホルダーの皆様の合意のニュースを伝えるようになってよかったと思います。
今回の合意は、公正な競争と共生を守ろうとする当社の意志が反映されており、バッテリー関連の知的財産権が認められたことに大きな意味があります。
特に、今回の合意を通じて『フォルクスワーゲン』と『フォード』を含む主要な顧客がグローバル市場で安定的にバッテリーを供給を受けることができるようになり、『SKイノベーション』のジョージア工場も正常動作が可能になることで、両社がグローバル市場で共存し善意の競争を広げることができました。
『LGエネルギーソリューション』は、今後も世界的な環境政策に合わせてグローバルリーディング企業として果敢し先制的な投資を通じて、大規模なバッテリー供給拡大や電気自動車普及が正常に行われるように積極的な役割を果たします。
また、今回の合意を契機に本格的に開花期に入ったバッテリーの分野で韓国のバッテリー企業がグローバル市場をリードするきっかけとなる一方で、両社が善意の競争相手との友好的な協力関係を構築し、韓国電池業界の生態系の発展のために一緒に頑張っていきます。
『LGエネルギーソリューション』としては、自社の知的財産権が認められたことに大きな意味があったとしています。「善意の競争」という部分に若干の嫌味と悪意を感じますが……。
(吉田ハンチング@dcp)