投資の失敗が大きくなり、資金に窮した『ソフトバンクグループ』は、「期待の星」であった『Arm』を、再上場ではなく400億ドル(約4兆3,864億円)でアメリカ合衆国『NVIDEA』に売却することにしました。
これがややこしいことになっています。
焦点は中国にあった『Armチャイナ』です。
2020年06月に、『Arm』は『Armチャイナ』のアラン・ウーCEO(Allen Wu)を、利益相反を理由に解任しました。ところが、ウーCEOは逆に手続きが適法でないと居直り、自分を放逐しようとした役員3人を提訴する始末。
辞任を拒否して法人印を持ったままなので、いまだに会社の法的な代理人から下りていないのです。
なにせ中国ですので、ウーCEOはいまだに居座り続けています。それどころか、『Arm』本社へのライセンス料を送付せず、そのお金を使って自分の訴訟にかかる費用を賄っている、などの報道すら出ています。
また、『Arm』は2018年に『Armチャイナ』の株式を売却したのですが、相手先が中国政府傘下のコンソーシアムなのです。持ち株比率は「中国側:51%」「海外側:49%」となっています。
で、2020年08月には『Armチャイナ』は独立を宣言しています。
もうお分かりでしょうが、中国に進出した企業がハメられる「母屋を取られる」パターンです。
『ソフトバンクグループ』は保有する全株式を『NVIDEA』に売却するというのですが、『Armチャイナ』は独立して中国の手に落ちたまま、という事態になりそうなのです。
この件はいまだに解決してはいませんし、『ソフトバンクグループ』もどうするのかリリースを出してはいません。
孫正義CEOも何も述べていません。孫さんは(大変利口なことに)中国のやり口については何も発言しないのです。もちろん、どんな不利益があるのかをよく理解しているからです。
⇒参照:『Bloomberg』「Arm Battle With China CEO Escalates, Complicating SoftBank Sale」
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(吉田ハンチング@dcp)