大変に愚かなことを言い出していますのでご紹介します。
2022年08月11日、韓国メディア『朝鮮日報』がTHAAD、「三不一限」問題で速報を打ちました。
大統領室関係者が現在滞っているTHAAD基地が「08月末には正常化される」と語ったとのこと。
同紙の記事から一部を以下に引用します。
大統領室関係者は、この日午後、記者たちと会って「サードが北朝鮮の核、ミサイルから韓国国民の安全と命を守るための自衛的防御手段であり、安保主権事項として決して協議対象になることができないことを明らかに明らかにする」と述べた。
中国外交部は最近、
●THAAD追加配置をせず
●合衆国のミサイル防衛(MD)体系に参加しない
●日米韓の軍事同盟に参加しないという「三不」に加え、
●THAADの運用制限を意味する「一限」が韓国政府の公式立場だと主張しており、内政干渉論議が起きている。
大統領室がこれに公開反論したのだ。
大統領室の関係者は、慶尚北道星州郡のTHAAD基地に関連して「THAAD基地の正常化が現在進行中であり、早い速度で正常化している」とし「08月末ぐらいにほぼ正常化されると見ている」と話した。
同関係者は、中国の最近の態度に対する背景を尋ねる質問に、「THAAD三不について前政府から引き継ぎを受けたことはない」とし「私たちも中国側の意図と関連内容を把握しているところ」と話した。
大統領室の関係者は、それにもかかわらず「三不」関連「前政府の立場で申し上げたことで継承する合意や条約ではない」「尹錫悦政府には尹錫悦政府の立場があるのだ」とした。
(後略)
『朝鮮日報』は「大統領室がこれに公開反論したのだ」と書いていますが、その割には大統領室の関係者という発言者が誰なのか明らかになっていません。
ですので、公開反論といえるかどうかは微妙なところですし、後から「あれは個人の意見でした」になるかもしれませんが、本当にこれが大統領室としての方向性であるのなら、中国の主張と真っ向から対立することになります。
なにせ「中国と協議するようなことではない」という旨の表明ですので。
韓国はやはり「政府が変わったら約束は反故にしてもいい」と考えている
ただし、この大統領室関係者が言ったされている「前政権が言ったこと」で「引き継ぎもなかった」し、「継承する合意や条約ではない」――という主張は全くお話になりません。
前文政権が本当に中国と「三不一限」の内容を握ったなら、それは政府間の合意であり約束です。
前政権が言ったことなので引き継ぎませんというのなら、そんな国とはどんな約束もできません。
また「引き継ぎがあったか、なかったか」は、韓国内の話であって、中国には関係ありません。
「それはお前の都合やん」で「知らんがな」です。
なぜ中国が「旧政権と新政権の間の引き継ぎ事項」にまで責任を持たなければならないのでしょうか。「引き継ぎはなかったから知らん」というのは甘ったれた態度という他ありません。
「尹錫悦政権には尹錫悦政権の立場があるんだ」に至ってはまさに噴飯ものの発言です。
「あんたの立場のことなんか話していない。国と国との約束を守れよ」といわれるだけです。「オレの立場は違う」というのが国同士の約束を守らない理由にはならないことを理解できていません。
つまり、「韓国は政権が変わったら、これまで交わした国際間の約束を破ってもいいと考える国だ」と自ら告白したも同然です。
日本にも同じことをしているのです。全く愚かしいというほかありません。
問題はこの後です。もし本当にTHAAD基地を正常化するのなら中国は怒って対抗策を講じるでしょう。
韓国政府の動き、中国の反撃に要注目です。
(吉田ハンチング@dcp)