「日韓が雪解けだぁ」とメディアがノッてきているご様子で、そのせいなのか、妙ちきりんな記事が出ています。
非常に短い記事ですが、以下に引いてみます。
鈴木俊一財務相は7日の閣議後記者会見で、韓国と金融危機時にドルなどを融通し合う「通貨交換(スワップ)協定」の再開に向けた協議について、「今後どうなるのか、現時点では具体的なものは決まっていない」と述べた。
同時に、日韓は国際社会の課題に協力して対応すべき重要な隣国同士だと強調した。
鈴木氏は、韓国政府が元徴用工訴訟問題の解決策を6日に発表したことをきっかけに、「日韓関係が健全な形で発展することを期待したい」と話した。
⇒参照・引用元:『共同通信』「韓国通貨交換協定は未決定と鈴木財務相」
なぜ、記者会見で突然「日韓通貨スワップ」についての質問が出たのか、その脈絡が全く分かりません。
どさくさ紛れに韓国を助けたいという意図の記者がいたのでしょうか。
この書きようですと、「日韓は重要な隣国同士。なら、通貨スワップは結んだ方がいいよね」にもっていきたい雰囲気が感じられます。
確かに韓国経済は傾いてきていますが、ここで日韓通貨スワップの話が出るのは……転ばぬ杖なのか、それともドルについて懸念があるのか。
少なくとも直近、2023年02月末時点で、韓国の外貨準備高は「4,253億ドル」あるはずなのです。
↑2022年02月~2023年02月「韓国の公式外貨準備高」の推移
⇒データ出典:『韓国銀行』公式サイト
いずれにせよ日本には何の得もないので、絶対に応じるべきではありません。どさくさ紛れを許してはいけません。
再度、麻生閣下の過去の発言動画を以下に貼ります。
以下は書き起こしです。
「長ーい話ですんで。
えーっ……そうですね……外務大臣のころからですから……もう十数年……何百億ほどありましたかね、通貨スワップは。だんだん減ってきて。ずいぶん減ってきたんだと思っておりましたが。
民主党政権の時代にさらにがたっと減ってますわな。
そして安倍内閣が再スタートしたときに確か……音喜多先生、150億ぐらい残ってたと思うんですね。
日銀で50、財務省で100くらい残っておったと記憶しますけれど……だんだん減ってきてますんで、日銀の50が減ったときに……最後の100が財務省になったときに、
向こうの財務大臣に『大丈夫か?』と。『金回んなくなるだろうが』って言ったら『いや、大丈夫』って。『あ、そう』ってほたっておいたら困ったような顔になってきたんですよ。
『もう一回だけ言うぜ。大丈夫か?』って言ったら、『そっちが借りてくれと言えば借りてやらないこともない』とぬかしたものですから、ふざけるなと思って席を立って『はい、さいなら』。それが最後で。
それから今日まで……韓国の場合はウォンと元のスワップをしておられる、と思うんですが、元とウォンの間のスワップじゃ……間に一回入ってそれからドルに換わりますんで、コストが上がるということで、ずいぶん割を食っておられると思いますが。
その後再開というお話がありましたんで、あの、元はといやそっちが断ってきた話だろうが、と。
こっちは言ったのに、そっちが断ってきたのに、何を今さら頼みにくんだよ、と。
ちゃんとしかるべき仁義は踏んでもらおう、という話ですよね。日本的にいえば。
ちゃんとやってもらおうといったらいきなり……例の銅像ができちゃうっていう話ですから。
で、もう全然話になりませんから……今んところ向こうが言っておられるというのは、うわさじゃあ聞いておりますけれども、私たちは財務省として直接その話は聞いたことはありません」
麻生閣下が頑張っていた時代には言い出せなかった「再開のための協議」も、岸田政権なら言い出せるということでしょうか。
そうだとしたら、完全になめられています。
麻生閣下の言葉どおり、「そっちが断ってきたのに何を今さら頼みにくんだよ。しかるべき仁義は踏んでもらおう」です。
(吉田ハンチング@dcp)