韓国最大野党『共に民主党』が主導して国会で可決された「穀物管理法改正案」に対して、2023年04月05日、尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領は拒否権を発動しました。
※「穀物管理法改正案」については以下の過去記事を参照してください。
尹錫悦(ユン・ソギョル)政権ができてから初の拒否権行使です。
同法案は再び国会に差し戻しです。拒否権による差し戻しの場合、国会で2/3以上の賛成がなければ可決されません。『共に民主党』は169議席しかないので(韓国の国会の定数は300)、単独可決は不可能。つまり、「穀物管理法改正案」は葬られたも同然となりました。
『国民の力』は115議席で1/3以上を押えていますので、たとえ国会で『共に民主党』が無茶な法律を通過させても、
①大統領が拒否権を行使
②国会へ差し戻し
③国会で再議決(2/3)できず
④廃案
のコンボで廃案に追い込めます。
当然、『共に民主党』は烈火のごとく怒っていますが、法に定められた手続きですので、文句を言ってもどうしようもありません(先の文政権末期に無理から通過させて)。
また、今回の拒否権発動について尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領は「ポピュリズムを象徴するような法案であって看過することはできない」と述べています。
尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領は、「全ツッパリ」で『共に民主党』が通過させた法案を次々に廃案に追い込むかもしれません。
『共に民主党』の無茶苦茶は非難されるべき
先にご紹介した「裁判所組織法改正案」(大法院院長を任命する大統領の権限を制限するための法案)、「監査院法改正案」(独立した強力な調査権限を持つ監査院の力を制限するための法案)など、『共に民主党』が自身の身を守るために通したい法律が控えています。
『共に民主党』が過半数を押えている韓国の国会(立法府)は滅茶苦茶といっていい状態です。
なにせ、「韓東勳(ハン・ドンフン)法務部長官」の政治家転身を防ぐために、「検察官は退職してから1年間は政治家に立候補できない」などという法律を発議しようという『共に民主党』議員がいるぐらいです。
韓東勳(ハン・ドンフン)長官は国民的な人気が高く、未来の指導者にふさわしい人物として世論調査で李在明(イ・ジェミョン)さんの次につけています。
そのため、この法律を通して韓東勳(ハン・ドンフン)長官の立候補を阻みたいというわけです。
国民のため、国益を実現するために法律を作るのが立法府の仕事のはずです。それなのに、自党、所属議員の保身、監獄に行かずに済むために卑劣極まりない法案を発議し続けています。
「愚か」という以外に形容する言葉があるでしょうか。
左派・進歩系同党の思いどおりさせないために、大統領の拒否権は文字どおり「最後の壁」です。
文在寅政権が末期に無理から通した「検察から捜査権を完全に剥奪する法案」も、大統領が拒否権を発動すれば阻止できました。
文在寅大統領は自身が監獄に行かないために即座にサインしましたが。文さんは「さあこれで大丈夫」と笑顔で青瓦台を去っていったのです。
尹錫悦(ユン・ソギョル)政権は、文在寅前大統領にその浅知恵を後悔させるような状況を作り出す必要があります。
(吉田ハンチング@dcp)