2023年04月13日、韓国の産業通商資源部が「2023年03月のICT産業の輸出入動向」を公表しました。これが大変によくないデータで、韓国の誇るICT(情報通信技術)産業が衰弱していることを示しています。
通常の貿易収支にように、まずは輸出入と貿易収支です。
ICT輸出入 2023年03月
輸出:157.8億ドル(-32.2%)
輸入:118.5億ドル(-7.9%)
貿易収支(輸出 – 輸入):39.3億ドル(-62.2%)※( )内は対前年同期比の増減。
さすがにICT産業の貿易収支は39.3億ドルあって、赤字ではありません(このセクターが赤字になったらそれこそ韓国はおしまいです)。
ご注目いただきたいのは、( )内の対前年同期比の増減です。
輸出は「-32.2%」で、対前年同月より3割以上も減少しています。貿易収支の方は、ズルイことに表組では表記されていませんが、計算すると「-62.2%」になります。
韓国の誇るICT産業でのもうけは、1年前より6割以上減少したのです。
輸出品目別に見てみましょう。
輸出品目別 2023年03月
システム半導体:36.3億ドル(-18.4%)
メモリー半導体:45.7億ドル(-44.3%)
ディスプレー:14.3億ドル(-41.5%)
OLED:9.1ドル(-35.9%)
LCD:2.8億ドル(-53.3%)
携帯電話:2.6億ドル(-66.4%)
携帯電話部品:5.7億ドル(-34.1%)
コンピューター・周辺機器:8.5億ドル(-52.5%)
通信機器:2.4億ドル(-9.2%)
対前年同期比の増減は、見事に全滅です。
地域別輸出実績を見てみましょう。特に注目される対中国は以下のようになっています。
地域別輸出実績 2023年03月
対中国(香港含む):63.3億ドル(-40.1%)
⇒半導体:45.7億ドル(-38.9%)
⇒ディスプレー:4.7億ドル(-56.8%)
⇒携帯電話:3.6億ドル(-40.5%)
対中国のICT輸出は「40.1%」も減少しました。半導体だけではなく、技術力が追いつかれたディスプレー、携帯電話は非常に苦しい状況です。
アメリカ合衆国、EU、日本、ベトナムに対する輸出は以下のようになっています。
ICT産業輸出 2023年03月
対アメリカ合衆国:19.0億ドル(-33.3%)
対EU:9.9億ドル(-30.2%)
対日本:4.1億ドル(-10.7%)
対ベトナム:28.0億ドル(-20.0%)
ご注目いただきたいのは、ベトナムです。韓国政府は中国貿易がもうからなくなってきたため、「東南アジアでもうけよう」と掛け声をかけています。
確かに対ベトナムへの輸出金額は「28.0億ドル」と大きいです。しかし、それでも対前年同期比の増減は「-20.0%」なのです。
上掲のとおり、韓国のICT産業の輸出は衰弱しています。この03月の結果は「全滅」といってもいいほどの惨状といえるでしょう。
(吉田ハンチング@dcp)