韓国は貿易赤字が継続すると国が傾きますので、貿易収支のデータは何よりも注視しなければなりません。
2023年05月22日、韓国の関税庁から「05月01~20日 輸出入実績(通関基準暫定値)」のデータが公表されました。
以下をご覧ください。
05月01~20日
輸出:324億4,300万ドル(-16.1%)
輸入:367億4,700万ドル(-15.3%)
貿易収支:-43億400万ドル01月01日~05月20日累計
輸出:2,333億7,600万ドル(-13.5%)
輸入:2,629億2,300万ドル(-6.6%)
貿易収支:-295億4,800万ドル
05月20日時点での貿易収支が、「単月:-43億400万ドル」です。前文在寅政権下ならいざ知らず、残り11日でこれを黒字にひっくり返すのはさすがに不可能です。
ですので、韓国の(通関ベースの)貿易収支は15カ月連続赤字がほぼ確定となりました。以下が2022年01月からここまでの貿易収支の推移です。
累計では、2022年の貿易収支が史上最大「-447億9,000万ドル」でしたから、05月20日時点で昨年掘った赤字の「約66.0%」まで達してしまいました。
下半期には持ち直すと予測してきたのですが、これが本当に達成できるかどうかは怪しくなっています。というのは、持ち直す根拠というのが「中国のりオープニング効果があるので……」としていたからです。
すでにアナリストの間では、「中国のリオープニング効果は期待していたほどではない」という言説がされています。さらには「リオープニング効果が大きいのはサービス業であって、韓国は期待するほどの恩恵は受けられない」という格付け会社『Fitch(フィッチ)』の指摘もあります。
事態は『Fitch』の予測どおりに進んでおり、だとすれば韓国の「下半期には輸出が復活」という目論見も「果たしてうまくいくかな?」となります。
主要輸出品目(金額上位からTop10)の輸出、対前年同期比の増減は以下のようになります。
半導体:-35.5%
自動車:+54.7%
石油製品:-33.0%
鉄鋼製品:-7.5%
自動車部品:-3.0%
無線通信機器(スマホ):-0.8%
精密機器:-20.9%
コンピューター周辺機器:-47.3%
船舶:-58.3%
家電製品:-36.6%
自動車だけが「+54.7%」と非常にいい数字ですが、これは前年大きく減少した反動の、いわゆる「基底効果」というものです。輸出金額Top10のうち9品目が対前年同期比割れですから、ほぼ全滅という結果です。
次に、輸出先の主要国別の対前年同期比の増減を見てみます。同様に輸出金額の多い相手国Top10順の結果です。
中国:-23.4%
アメリカ:-2.0%
EU:-1.1%
ベトナム:-15.7%
日本:-13.9%
香港:-4.3%
台湾:-53.9%
インド:-18.5%
シンガポール:-29.9%
マレーシア :-18.1%
驚くなかれ、金額の多い輸出相手国TOP10の全てで輸出金額は減少しています。こちらは全滅です。
というわけで、韓国の輸出は本当に危機的な状況です。ですから、韓国経済は傾いているといえるのです。
(吉田ハンチング@dcp)