2023年06月05日、『韓国銀行』が2023年05月時点での外貨準備高を公表しました。
当月は非常に興味深い結果です。以下をご覧ください。
2023年05月
外貨準備高:4,210億ドル(約58兆9,989億円)※
(前月比:-57億ドル)<<内訳>>
⇒Securities:3,790億ドル(約53兆1,131億円)
(証券類)
前月比:+46億ドル⇒Deposits:178億ドル(約2兆4,945億円)
(預金)
前月比:-100億ドル⇒SDRs:147億ドル(約2兆601億円)
(IMFのSDR(特別引出権))
前月比:-2億ドル⇒IMF position:47億ドル(約6,587億円)
(IMFリザーブポジション)
前月比:-1億ドル⇒Gold:48億ドル(約6,727億円)
(金)
前月比:増減なし※円換算は2023年06月05日「1ドル=140.14円」のレートで算出
⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト「Official Foreign Reserves(May 2023)」
⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト「2023年05月末の為替保有額」
当月の注目は、現金たるDeposits(預金)が一気に100億ドルも減少したことです。2022年01月からここまでの推移を見ると以下のようになります。
05月の「-100億ドル」という急激な減少は、2015年までさかのぼっても最高の減少幅です。
問題は、なぜここまで急に現金がなくなったか?です。
『韓国銀行』は以下のように説明しています。
ㅇその他通貨外貨資産の米ドル換算額*の減少、金融機関の外貨預金の減少、
外国為替市場のボラティリティ緩和措置などによる。⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト「2023年05月末の為替保有額」
ドルが強まったため、その他の外貨資産をドル換算したときの金額が下がった、外貨預金が減少したとのと同時に、「外国為替市場のボラティリティ緩和措置」を挙げています。
つまり、為替介入です。
ドルウォンチャートを確認してみましょう。以下をご覧ください(チャートは『Investing.com』より引用:月足)。
上掲のとおり、2023年05月は陰線で、ウォン安進行を食い止めたローソク足となっています。
前月の04月は陽線で、ウォン安がまた危険水準まで進行するのかと懸念されました。翌05月はウォン安を食い止めるために通貨当局が阻止介入に出たものと思われます。
その分、ドルが溶けたわけです。
今回の公表だけではどのくらいドルを溶かしたのか分かりませんが、リリースに書かなければならないほどだったことは確かです。
(吉田ハンチング@dcp)