米中の対立が深まり、先のG7広島サミットでも「デリスキング」(de risking)が合言葉になりました。「デリスキング」は「脱中国」の言い換えに過ぎず、新冷戦の方向性が明確になったわけですが、問題は韓国です。
いまだに輸出相手国の中国を捨てきれず、中国とアメリカ合衆国の間を右往左往する様子を見せており、最大野党『共に民主党』の党首が中国大使に事大する始末。韓国メディアも同様で、隙あらば両陣営から甘い汁を吸えないものかという記事を上げています。
『マネートゥデー』にド級のすごい記事が出ましたので、一部を以下に引用してみます。
(前略)
このような地政学的環境が展開される中、韓国がG8への編入を通じて西側経済圏を中心にさまざまな輸出入市場で重要なつなぎの役割を果たすべきだという声が高まっている。韓国は特に、半導体とバッテリー、モビリティー、防衛など自由欧米経済のバリューチェーンの核心要素に対する強力な競争力を保有している。
中国を除いたグローバルバッテリー産業は、『LGエネルギーソリューション』『SKオン』『サムスンSDI』など、韓国のバッテリー3社が最も大きな割合を占めており、『サムスン電子』は台湾の『TSMC』と一緒に半導体ファウンドリー市場を二分している。
『韓国経済研究院』のイ・ギュソク副研究委員は、「G8加入を通じた経済同盟の強化は、サプライチェーンの再編に伴い、韓国の主要産業に有利な方向に作用するだろう」と述べた。
続けて「脱中国が(国内企業に)問題となるのは事実」とし、「しかし、米韓同盟中心の供給網再編が大勢の流れとなり、中国の核心部品・鉱物の比率を下げるしかない」と付け加えた。
合衆国・欧州との貿易のために脱中国が求められる中、これを避けられないのであれば、「脱中国に相当する補償を欧州・合衆国側に要求する」政府レベルの対応が必要だという説明だ。
タイトルがもう凄くて「 『G8』経済同盟が新たな突破口になるのか」となています。
「G8」経済同盟って何?――なのですが、G7に自分・韓国を足したものです。
そんなものはそもそも「ない」というのに、記事内で述べられていることが、自由主義陣営国と中国との間で経済がブロック化するなら「重要なつなぎの役割を果たすべきだ」だそうです。
G8に入るのなら「つなぎ」も何も、中国と対立する側なんじゃないのか?と疑問が湧くのですが、コウモリのように両陣営に「いい顔」ができる(+甘い汁が吸える)と考えているのです。
「重要なつなぎの役割を果たすべきだという声が高まっている」と書いているのですが、どこでそんな声が高まっているのでしょう。
また、『韓国経済研究院』のイ・ギュソク副研究委員は、韓国が自由主義陣営国から脱中国を強制されるのであれば、「脱中国に相当する補償を欧州・合衆国側に要求する」べき、と政府に勧めています。
つまり「脱中国を進めるから何かくれ」です。
「おま……お前、スゴイな」と呆れる他ありません。「なんかくれじゃないだろ」です。
そもそも「G8加入を通じた経済同盟の強化」ってなんでしょうか。
こんな意見を持つ国を自由主義陣営国各国は信用できるのでしょうか。通貨スワップを締結してケツモチのリスクを背負ってやる意味がありますか。
予言しておきます。韓国は「なんかくれ」と言い続けるでしょう。
(吉田ハンチング@dcp)