2023年06月29日、日韓財務省会合において日韓「通貨スワップ」が再開されることが合意されました。日本にとっては全く無意味な契約です。
100億ドル規模、契約期間3年。ドルベースという内容で、韓国が経済危機に陥ったら、紙切れのようなウォンを受け取り、同価値のドルを出してやらねばなりません。
韓国では「外貨準備高が4,000億ドルを超えており、緊急事態には十分でスグに必要なわけではない。今回の日韓通貨スワップ再開は象徴的な意味が大きい」とうそぶいていますが、それは「本当にその額あれば」――です。
韓国の外貨準備高に対しては、1997年アジア通貨危機時の「ありませんでした!」以来、疑問が持たれています。
後の調査(と暴露)によって、「200億ドルあるから大丈夫だから」などといっていた、まさにその時、残り27億ドルまで追い込まれていたのです(異説アリ)。
そもそも時価計算されていないので、本当に公表金額分あるのか金融当局にしか分からないのです。
岸田文雄は、「韓国政府に一つ貸し」と思っているかもしれませんが、韓国はこれを「借りだ」などとは決して思いません。日本からどんな恩恵を施されてもそれを当然と考えます。
愚かなことに岸田文雄は、かつての如く「日本には甘えられて当然」と韓国に認識させてしまいました。
日本との通貨スワップ協定が獲得できたので、韓国メディア『朝鮮日報』が調子のよい記事を出しています。記事の一部を以下に引用します。
(前略)
日韓関係の悪化で中断されてから8年ぶりだ。日韓関係が良かった2011年700億ドルより少ないが、いったん危機の際に使用できるマイナス通帳を再び開いたということに意味がある。
(中略)
通貨スワップ協定は単なる外国為替政策ではなく、国家間同盟レベルの問題だ。
グローバル金融危機当時、アメリカ合衆国が締結した通貨スワップには韓国以外にヨーロッパを中心に13カ国が含まれた。
今、合衆国は安保経済同盟を維持し、中国に対抗してドル覇権を強化する必要性を感じている。
米韓安保同盟が半導体同盟に、再び通貨スワップにつながらなければならない。
まず「日韓関係が良かった2011年700億ドルより少ないが……」という言い草にご注目ください。
やがて「韓国に対する協力の度合いに物足りなさを感じざるを得ない」などと言い、増額の要求を平気でするようになります。
また、「同盟だから合衆国は韓国と通貨スワップを締結しなければならない」という論理を繰り出しています。
違います。
グローバル金融危機、すなわち韓国通貨危機の時には、世界的に流動性不足で放置すると害悪が合衆国にも及ぶから、『FRB』(Federal Reserve Boardの略:連邦準備制度理事会)はドル流動性スワップ(韓国側呼称「通貨スワップ」)を締結したのです。
その後、流動性に不安がなくなったと判断し、なんの意味もない、紙切れのようなウォンとのスワップラインを閉じました。当然のことです。
2020年03月のドル流動性スワップも同じことで、世界的な流動性危機になると合衆国もピンチになるから『韓国銀行』とのスワップラインを(臨時的に)開設したのです。
その後、役目を終えて、スワップラインを再び閉じました。
このように、合衆国は自国の都合でスワップランの開閉を決めています。
合衆国連銀は、『日本銀行』などと常設のスワップラインを保っていますが、これもいざというときに必要で、自国が損をしないようにです。
ぶっちゃけて言えば「日本、お前、まさか飛ぼうとしてないよな。迷惑だからやめてくれよ」です。
岸田文雄は、「日韓の雪解けだー」「象徴的な意味がある」などという雰囲気醸成のために、なんら自国の利益にならない協定を結ぶという判断をしたのです。
鈴木俊一財務相は「いざという時の備えをすることは円とウォンに対する信認にプラスに働く」などとふざけた発言をしていますが、ウォンなどなくても日本円への信認は十分あります。
それは日本の国民が一生懸命働き、稼ぎ、豊かな国にしてきたからです。だから日本の通貨には信認があるのです。
ウォンがなければ日本円の信認が上がらないのような言い草で、ハッキリ言えば、日本国民への侮辱でもあります。このような発言を国民は許すべきでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)