中国は、アメリカ合衆国財務省のイエレン長官が訪中したことについて「米中雪解け」の雰囲気を出しています。
地方政府は負債で首が回らず、不動産市場は低迷したままで、輸出の回復も怪しくなってきました。中国が一生懸命に「中国への投資のチャンス」などといっているのは、お金を入れてもらわないと困るからです。
「お金を入れてください」と正直に頭を下げるなら「まだしも」ですが、弩級にエラそうな態度がデフォルトである中国には、面子があってそれもできません。
習近平総書記は「中国式の近代化は中国共産党が主導する社会主義近代化」というよく分からない論文を発表していますが、このまま「中国外し」の事態がさらに進行して、かつてのソ連のように自由主義陣営国との間に完全な壁ができると――二進も三進もいかなくなります。
↑中国の商務部が猛アピールしている習近平総書記の論文。「みんな読んでみましょう」になっていますが、読んでも何を言っているのかよく分かりません。簡単にいえば「指導者・習近平を信じてついていきましょう」で、こんなものに今の中国の若い衆が本当にだまされるのでしょうか。
「ロシアなど」とのビンボな国との連帯は結局、中国の得にはなりません。皮肉なことに中国自身がそのことを何より理解しています。
日本でもアンポンタンがデフォルトの岸田文雄が「新しい資本主義」なるものを提唱していましたが、習近平の「中国共産党が主導する社会主義近代化」と同じぐらい何を言っているのか分かりません。
岸田文雄は増税以外に何かするのでしょうか。安倍首相が築いた政治的な資産をすっかり食いつぶそうとしているのが岸田政権です。
さて中国ですが、状況的には立場は悪化するばかりです。
先にご紹介しましたが、イエレン長官も特に中国に譲歩するつもりはなさそうに見えます。イエレン長官の主張は「公正なルールの下での経済競争をしよう」が主旨ですから、中国が飲めるわけはありません。
中国の考える公正なルールは「中国共産党のルール」で、自由主義陣営国のルールとは相容れないものだからです。
――で、自由主義陣営国からの訪中者を恣意的な理由で拘束して恥じない国・中国は、2023年07月01日、「改正反スパイ法」を施行しました。
これによって、外国人はますます「中国に行かない」方がよくなりました。
合衆国は「中国を訪問しようと考えている人は再考したほうがよい」という勧告を出しています。
以下をご覧ください。
↑Googleの自動翻訳なので日本語がヘンなところがありますがご寛恕ください/スクリーンショット不法拘禁に関する文言と香港およびマカオ特別行政区(SAR)向けの情報を更新して再発行しました。
概要:
出国禁止に関するものを含む現地法の恣意的な執行と不法拘禁のリスクを理由に、中国本土への旅行を再検討してください。現地の法律が恣意的に施行されているため、香港特別行政区に旅行する場合は一層の注意を払ってください。
緊急領事サービスの提供能力が限られているため、マカオ特別行政区への旅行を再検討してください。現地の法律が恣意的に施行されているため、マカオ特別行政区に旅行する場合は一層の注意を払ってください。
各管轄区域における具体的なリスクと状況をご覧ください。
(後略)⇒参照・引用元:『アメリカ合衆国 国務省』公式サイト「中国旅行勧告」
中国本土は「レベル3」(Reconsider travel)でオレンジ警報です。「旅行を再検討してください」となっています。
レベル4は「Do not travel」(旅行に行くな)のレッドアラートですが、その一つ手前です。
合衆国の国務省が指摘する「どんな目に遭うのか」について以下に興味深い点を引いてみます。
(前略)
国務省は、中国政府による米国人の不当拘留のリスクが中国国内に存在すると判断した。中国に旅行または居住する米国国民は、米国領事サービスへのアクセスや犯罪容疑に関する情報へのアクセスを与えられずに拘留される可能性があります。
中国国内の米国国民は、法律に基づく公正かつ透明な扱いを受けずに尋問や拘留を受ける可能性がある。
ビジネスマン、元外国政府職員、学者、法的紛争に巻き込まれた中国国民の親族、ジャーナリストなどを含むがこれらに限定されない中国国内の外国人は、中国国家安全法違反の疑いで中国当局によって尋問され、拘留されている。
中国はまた、中国に居住し働いている米国国民を尋問し、拘留し、追放している。
中国当局は、広範な文書、データ、統計、資料を国家機密とみなし、スパイ容疑で外国人を拘束・起訴する広範な裁量権を持っているようだ。
中国で事業を展開するプロフェッショナルサービス会社やデューデリジェンス会社など、米国および第三国の企業に対する当局の監視が強化されている。
治安要員は、中国国内で研究を行ったり、公開されている資料にアクセスしたりしたとして、米国国民を拘束したり、訴追の対象にしたりする可能性がある。
中国政府、香港特別行政区、またはマカオ特別行政区政府を批判する私的な電子メッセージを送信したとして、治安要員が米国国民を拘束および/または国外追放する可能性がある。
さらに、中国政府は次の目的で中国への旅行または出国に対する制限、いわゆる出国禁止措置を講じています。
個人に中国政府の調査への参加を強制する。
制限された個人の家族に海外から中国に戻るよう圧力をかける。
中国国民に有利に民事紛争を解決する。
外国政府に対する交渉力を得る。
米国国民は中国から出国しようとするときに初めて出国禁止に気付く可能性があり、法廷で出国禁止に異議を唱えるための利用可能な法的手続きがない可能性があります。
中国で捜査を受けている者の親族(未成年の子供を含む)は出国禁止の対象となる可能性がある。
中国政府は二重国籍を認めていない。
米国と中国の二重国籍者および中国系米国国民は、追加の監視や嫌がらせの対象となる可能性があります。
あなたが米国国民であり、米国パスポート以外の渡航書類で中国本土への入国を選択し、拘留または逮捕された場合、中国政府は米国大使館または米国総領事館に通知したり、領事館へのアクセスを許可したりすることはできません。
中国への旅行に関する最新情報については、米国の中国大使館に問い合わせてください。
状況によっては、中国本土への旅行者が一部の施設やイベントに入場する際に追加の新型コロナウイルス感染症検査が必要となる場合があります。
国務省は、海外にいる米国の民間人に直接医療を提供したり調整したりすることはありません。
海外にいる米国国民は、資格がある場合、中国政府が承認した新型コロナウイルス感染症ワクチンの接種を受けることができます。
中国国内または中国に到着する前に薬物を摂取しないでください。
薬物検査で陽性反応が出た場合、たとえその薬物が他の国では合法であったとしても、即時拘留、罰金、強制送還、および/または中国への再入国禁止につながる可能性があります。
中国当局は、血液、尿、毛髪検査への協力を強制する場合があります。
薬物犯罪に対する罰則は、米国で課される罰金を超える可能性があります。
(後略)デモ:
当局が分離、転覆、テロリズム、または外国との共謀行為に当たると解釈するデモやその他の活動に参加すると、刑事告訴される可能性があります。周囲に注意し、デモを避けてください。⇒参照・引用元:『アメリカ合衆国 国務省』公式サイト「中国旅行勧告」
これだけ書かれていて、なおも中国に行きたいという人は稀でしょう。
日本人も中国には行かないようにしましょう。拘束の危険がありますし、中国にお金を落としてやる必要もありません。
(吉田ハンチング@dcp)