中国を慮って「Chip4」に加入するのすら躊躇している韓国ですが、アメリカ合衆国・日本・台湾はけっこうノリノリなわけです。
日本も台湾も「合衆国と中国どっちだよ?」と聞かれたら、当たり前ですが「合衆国」を取るに決まっています。
日本と台湾は強力して日本にファウンドリーを造ることにしていますが、これがまた韓国は気に入らないご様子。
これまで半導体強国と誇ってきましたが、台湾にファウンドリー事業では抜かれていますし、技術的優位性も失ったからです。
韓国メディア『毎日経済』に被害妄想のような記事が出ていますので、ご紹介します。まず、記事冒頭部分を以下に引用してみます。
かつて半導体強国だったが、今は後発走者となった日本が台湾と手を取り、過去の栄光再現に乗り出した。
世界最大のファウンドリー(委託生産)企業である台湾の『TSMC』が日本政府から莫大な支援を受け、日本に工場を設立することにしたのに続いて、今回は地域大学と手を組んで人材を育てることに出たのだ。
(後略)
冒頭からこれです。韓国の皆さんはすっかり日本を「遅れをとったランナー」と見ていらっしゃるのです。まあ別にいいですけれども。
次です。
(前略)
半導体業界で素材・装備分野の最強者である日本とプロセス分野で1位の国家である台湾が連合し、韓国の半導体産業を牽制すると分析される。
(後略)
一応、「素材・装備分野の最強者は日本」と「微細工程での最強は台湾」と認めていらっしゃいます。ただ、台湾を国家としていますが、これは大丈夫なのでしょうか。
日本も台湾も別に「韓国の半導体産業を牽制する」ためにやっているわけではないので、この点には被害者意識が現れています。明確に「合衆国側に立つ」と表明していない韓国と組むわけにはいかない、というのが原因なのに、韓国の自己責任についてはだんまりです。
さらに次です。
(前略)
国内半導体業界は、日本と台湾の連合が韓国産業に強い脅威になると見ている。『TSMC』はすでに今年第3四半期、27兆ウォンに達する売上を達成し、『サムスン電子』を超えた実績を記録したと推定される。
ここに日本が持つ素材・装備技術力が合わさればファウンドリー業界での影響力はさらに大きくなると見込まれる。
半導体業界の関係者は「我が国の場合、前の政府で日本との関係が急激に凍りつき、産業的協力を図りにくい状況」とし「この隙を突いて、台湾が日本と手を握って連合戦線を構築して大きな存在感を見せている」と語った。
「前の政権で日本との関係が凍りつき、協力を図りにくい」が傑作ですが、これこそ自業自得というものです。
別に日本も台湾も「隙」など突いていませんし、コツコツやれることをやっているだけなのですが、韓国半導体産業にとっては強い脅威なのだそうです。
記事から感じられるのは、韓国が脅威にさらされた被害者という視点です。ここからもう間違っているのではないでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)