ここのところ韓国メディアでは「韓国企業の電気自動車が絶好調」「アメリカ合衆国市場で存在感が増している」などの報道が見られます。
先にMoney1でもご紹介したとおり、合衆国で電気自動車の販売台数が伸びているのは確かなのですが、韓国車は「自画自賛」に値するほどの伸びなのでしょうか。
本当にそうなのか?――を確かめてみましょう。
『韓国自動車モビリティー産業協会』(略称「KAMA」)が公表した「2023年上半期米国電気動力車市場動」で見てみましょう。以下をご覧ください。
このデータは「電気動力車」を、
・BEV(電気自動車)
・PHEV(プラグインハイブリッド車)
・FCEV(水素燃料電気自動車)
の3つに分類して集計しています。
データ出典:『韓国自動車モビリティー産業協会』
これを見ると、まず合衆国の電気動力車の「2023年上半期 販売台数」はBEV・PHEV・FCEVの3つを足して「65万5,699台」です。
前年同期の「2022年上半期」が「42万3,656台」でしたので、合衆国の電気動力車は「54.8%」増加しています。
この数字からも確かに合衆国で電気動力車の販売台数は大きく伸びていることが分かります。
しかし、BEV(電気自動車)が全体の販売台数に占める割合は、2023年上半期でもわずか「6.9%」に過ぎないのです。
つまり、合衆国自動車市場において、電気自動車はまだまだメジャーな存在ではないといます。韓国メディアでは「韓国企業の電気自動車が絶好調」という報道にだまされて、この点を見逃してはならないでしょう。
次に自画自賛している韓国系の電気動力車を見てみましょう。上掲のとおり、
韓国系電気動力車の販売台数
(BEV・PHEV・FCEVの3タイプ合計)
2022年上半期:4万4,233台
2023年上半期:4万6,826台
2022年と比較して2023年はわずか7.2%増えただけです。
上記のとおり、合衆国の電気動力車のパイは54.8%も増加したのに、韓国系の電気動力車は7.2%しか増えていません。
韓国メディアは自画自賛していらっしゃいますが、これは褒められた話でしょうか?
ご注目いただきたいのは、日本系電気動力車です。
「2022年上半期:2万9,045台」から「2023年:4万710台」へと「40.2%」も増加しています。
EV(電気自動車)に限ってみると、「2022年上半期:8,170台」から「2023年上半期:1万7,243台」になり、「111.1%」も増加しました。つまり、販売台数が2.1倍になったのです。
韓国系電気動力車の販売台数と比較すると、以下のようになります。
2023年上半期の販売台数
韓国系の電気動力車:4万6,826台
日本系の電気動力車:4万710台
日本の自動車企業はまだ電気自動車にそこまで本腰を入れたとはいえない状態でしょうが、実は非常に健闘しているのです。韓国の皆さんが自画自賛している間に存在感を増しつつあります。
このままでは、遠からず韓国系電気動力車は、日本系電気動力車に販売台数でまくられることになるでしょう。
韓国メディアではしばしば「電気自動車で遅れをとっている日本」などと揶揄のフレーズが登場しますが、そんなことを言っている場合ではありません。
またぞろ「日本に後頭部を殴られた」というフレーズが登場することになりそうです。韓国の皆さんは、日本企業を舐めないことをお勧めします。
基礎技術の積み上げが韓国企業とはまるで違うのですから。
(吉田ハンチング@dcp)