韓国に製造拠点を置くとこういうことになる、という興味深い例です。韓国メディア『ソウル経済』に、早期退職者募集を行っている韓国『ルノーサムスン』に対して親会社『ルノー』が「このままなら撤退するぞ!」と警告を発した――という記事が出ました。
記事のよれば、『ルノーサムスン』の釜山工場は、『ルノー』グループの中で下から3番目に製造効率が悪いとのことです。全19工場の中で17位です。
製造コストはスペイン工場の2倍になるとしています。
また、『ルノー』グループのホセビセンテ・ロス・モソス製造統括副会長の発言を以下のように引いています。
「競争力向上の約束を守らないと、新しい方法を見つけるだろう」
⇒参照・引用元:『ソウル経済』「韓工場の競争力問題視し、ルノーグループ『撤退警告状』」(原文・韓国語/筆者(バカ)意訳)
これは、2020年01月末に訪韓し「製造コストはグループ中最悪(当時)」と指摘し、向上させろとしたことへのレスを求めた発言だと考えられます。つまり「1年たったけど約束が守られてないじゃないか!」というわけです。
彼は「釜山工場のサバイバルプランは、競争力を高めるための方策であるだけに、必ず行わなければならない」とし「この約束が守られない場合は、新しい方法を見つけるだろう」と警告した。
この「新しい方法」とは「よそで作らぁ!」だと思われます。そのため、『ソウル経済』も「撤退警告」としているのです。
ちなみにサバイバルプランとは以下のようなものです。
・残りの役員の賃金の20%削減
・全社員対象の早期希望退職
etc.
さらにちなみに、『ルノーサムスン』労働組合はこの「全社員対象の早期退職希望」に反発し、「無能経営陣が非常に残念」とストライキを賛成多数で可決(実行していません)。
韓国企業ですら海外に出たら戻ってこない!
そもそも韓国に製造拠点を置くのが間違っています。韓国メディア『中央日報(日本語版)』に、日本企業は多くが日本にUターンしているのに韓国企業は海外に出たらほとんど戻ってこない、という記事がでましたが、当たり前です。
このような製造コストの高いところでものを作っても価格戦闘力がなくなるだけです。韓国企業ですら母国に戻るのを忌避しているのに、なぜ海外の企業がとどまってくれると考えるのでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)