2025年06月17日、韓国大統領室の報道官が(よせばいいのに)「できもしないこと」をぶち上げました。
大統領の李在明(イ・ジェミョン)さんは、(よせばいいのに)カナダに出掛けていませんが、新政権としては韓国民の頭をぼーっとさせるようなビッグな企画がいるのでしょう。
今回はスゴイです。
「本物の成長(진짜 성장)」と言い出しました。
プロパガンダで大声さえ出せば現実を糊塗できると考える左派・進歩系のアンポンタンが思いつきそうな言葉です。
2025年06月17日、国政企画委員会は「大韓民国の“本物の成長”のための戦略』という研究報告書を公開しました。
「本物の成長」って何?――という話ですが、国政企画委員長のイ・ハンジュさんは、
「本物の成長とは、低成長と不平等の泥沼に陥っている韓国経済を救うための新たな成長戦略だ」
「持続的で、すべての人が実感できる成長である『本物の成長』への飛躍が必要な時である」
――と述べました。何を言っているのかよく分かりません。「習近平の主導する特色ある社会主義」や「主体思想」と同じくらい意味不明です。
傑作なのは、韓国メディア『ソウル経済』の報道です。
配られた資料を仔細に見て以下のように書いています。
(前略)
「本物の成長」の概念を説明するこの報告書は全104ページにわたり、報告書の中で「本物」という言葉が64回も登場している。「本物の成長」を具現化したものとして、「人工知能(AI)三大強国、潜在成長率3%、国力世界5位」を意味する「3・3・5ビジョン」も提示されている。
(後略)⇒参照・引用元:『ソウル経済』「국정위 ‘진짜 전략’에 ‘진짜’만 64번…이재명 ‘진짜 성장’ 뭐길래[Pick코노미]」
記者が「本物っていう言葉が64回も登場している」と数えたのもスゴイですが、何より書きようが呆れたというか、ばかにしたものになっています。
当然です。誰でも呆れるでしょう。
また面白いのは、「本物の成長」の概念を、「偽物の成長」と比較して解釈する説明が付いていることです。
この報告書には、
『偽物の成長』は一時的な成長、少数のための成長、模倣による成長である。
対して『本物の成長』は、持続可能な成長、全員のための成長、創造に基づく成長、実感できる成長である。
と書いてあります。大笑いです。何を言っているのか全く分かりません。カルト宗教の教義みたいです。
「本物の成長」を実現するための三大戦略というのが――、
①技術主導の成長、②すべての人の成長、③公正な成長――の3つである。
「技術主導の成長」とは、未来を先導する戦略産業を育成し、産業と輸出の競争力を高めるという目標であり、「すべての人の成長」は、大企業に限らず中小ベンチャー、地域、小規模自営業者、労働者など国民全体が広く参加する成長を意味し、「公正な成長」は、公正な市場秩序を通じて皆が共に発展する成長を指す。
――のだそうです。具体的に落とし込むと――、
❶AI三大強国入りと未来戦略産業の育成
❷エネルギー転換と産業の高度化
❸中小ベンチャーおよび科学技術イノベーション・エコシステムの確立
❹地域成長と国土空間の革新
❺公正と共生の市場秩序の構築
などである。
――だそうです。こういうあまりにもスゴく、何を言っているのかよく分らない資料は外部(特に外国)に見せない方がいいと思われます。「新政権はばかだ」と思われるので。
「ほ、本物の成長って……アカン、笑い死ぬ……」という人が出ても不思議ではありません。
(吉田ハンチング@dcp)