世界的な自動車用半導体の不足の影響は、韓国の自動車産業に深刻な影響を与えています。
先からご紹介しているとおり、2021年04月辺りから『現代自動車』『起亜自動車』『韓国GM』の工場が一部操業停止に追い込まれています。
韓国は「半導体強国」と称していますが、実は車載用半導体の98%は輸入しているのです。
韓国政府が日本・ドイツなどに救助を求めた
東日本大震災のときに部品供給に苦しんだ経験を持つ『トヨタ』は、部品の在庫を増やすようにメーカーに依頼してあったため、今回の世界的半導体不足にもなんとか対応しています。韓国の自動車産業はもろにその波をかぶっているわけですが、備えの差が出たといえるでしょう。
しかし、韓国にとって自動車産業は輸出を支える基幹産業ですから、このまま手をこまねいているわけにはいきません。
2021年05月25日、韓国メディア『聯合ニュース』に、韓国政府が海外の車載用半導体メーカーに韓国自動車メーカーを助けてくれるように依頼した、という記事が出ました。
以下に同記事から一部を引用します。
25日、関係省庁によると、産業通商資源部は、最近、このような内容の長官による公文書を各国の外交公館を介してメイン車両半導体メーカーに伝えた。
オランダの『NXP』、ドイツ『インフィニオン』、日本の『ルネサス』など、韓国の自動車メーカーとの取引関係がある5~6社に公文書を送ったことが分かった。
政府関係者は「これまで韓国の自動車産業との相互信頼を介して一緒に成長・発展してきただけに、現在の困難を経験している車載用半導体の供給が円滑に行われるよう協力を要請した」と明らかにした。
(後略)⇒参照・引用元:『聯合ニュース』「『車半導体供給協力してくれ』…政府は、主要な企業に公文書」※赤アンダーライン、強調文字は筆者による
公文書で助けを求めるという点がユニークですが、それだけ切羽詰まっているということでしょう。
ただこの記事は裏が取れません。韓国の産業通商資源部のホームページにはそれらしい情報がないのです。
しかし、半導体強国と称する韓国からすれば、もしそんな事実がないなら記事にはならないでしょう。このように記事になっているということは信憑性が高いと考えられます。
気になるのは、『現代自動車』『起亜自動車』の第2四半期の業績です。少し先になりますが、半導体不足がどこまで影響を与えるのか、ぜひご注目ください。
(吉田ハンチング@dcp)