韓国の次期大統領に選ばれた尹錫悦(ユン・ソギョル)さんが、2022年03月10日、当選後初めて国民に対する演説を行いました。
この中に絶対に見逃せないポイントがありますのでご紹介します。そして、この点において現在の文在寅大統領、また彼をとりまく進歩派といわれる勢力は激怒しているはずです。
以下に引きます。
(前略)
尹錫悦政府は、自由民主主義と市場経済を確立し、危機を乗り越え、統合と繁栄の時代を開きます。自由民主主義を脅かすいかなる勢力と理念をも遠ざけ、国民の常識に基づいて国政を運営します。
これにより国民個々人に公正な機会が保障され、自律と創意を存分に発揮できるダイナミックな国、労働の価値が尊重され、働く人がよりよく暮らす国を作ります。
この部分は、文大統領自身、また文政権を支えた勢力に対する痛烈な批判であり、逆襲の表明です。
お分かりになりますでしょうか。
韓国から「自由」をなくそうとした文政権
Money1でもご紹介したことがありますが、文大統領とその政権は、韓国の「自由民主主義」から自由を削ろうとしていました。
本当です。
日本ではほとんど知られていないかもしれませんが、文政権は前朴槿恵(パク・クネ)政権が導入しようとした国定歴史教科書を旧時代的・教育の政治利用などという言葉を使って全否定。廃止して新しい検定歴史教科書を導入しました(2020年度から)。
驚くなかれ、文政権下で新たに作られたこの検定歴史教科書では、それまでの「自由民主主義」が全て「民主主義」に書き換えられているのです。
文字どおり「自由」がなくなりました。
これはむしろ些事かもしれません。これまたMoney1でもご紹介したことがありますが、文政権は韓国の憲法からも「自由」の表記を削ろうとしていたのです。
本当です。
2018年に「国会憲法改正特別委員会」の諮問委員会から出てきた改正案では、
自由民主的基本秩序 ⇒ 自由で平等な民主社会実現
於:第四条
自由民主的基本秩序に立脚した平和統一 ⇒ 民主的基本秩序に立脚した平和統一
と変更する旨が盛り込まれていました。
ではなぜ文政権はこのような愚行をなしたのでしょうか。答えは簡単です。
北朝鮮との統一に備えて、です。
「自由民主的基本秩序」というのは、当然ですが「一党独裁」「世襲の首領が何もかもを決める中世の王朝国家のような国」を全否定する言葉です。
そのため、北朝鮮との統一を成し遂げるためには「自由民主的基本秩序」の「自由」が邪魔なのです。北朝鮮の国体を認めるために、韓国の自由民主体制のレベルを下げようとしたのです。全体主義、一党独裁、世襲制の王朝国家を容認できる国、国民にしようと企んだのです。
恐ろしいことだとは思われないでしょうか?
「自由民主主義って言いやがった。けしからん」
上掲の尹次期大統領の演説は、これまでの文大統領・文政権の施策を粉微塵に打ち砕く宣言です。
自由民主主義と市場経済を確立し、危機を乗り越え、統合と繁栄の時代を開きます
とはっきり述べています。
進歩派という人々からすれば「自由民主主義って言いやがった。けしからん」(どんな言い草だ)と激怒するような言葉なのです。
恐らく文大統領も激怒しているでしょう。
また、
自由民主主義を脅かすいかなる勢力と理念をも遠ざけ
と述べています。
つまり「自由民主主義を脅かす勢力」とは、まさに文在寅とそのシンパ、進歩派、政府与党『共に民主党』のことです。
お前らから離れ、「国民の常識に基づいて国政を運営します」と述べています。お前らは非常識だと名指しているのです。
名指しされた人々には「オレのことだ」と分かっています。
韓国ではこれから戦いが始まるのです。
(吉田ハンチング@dcp)