2025年04月24日、米中貿易戦争が最高潮となる中、習近平さんが主宰する会議が開催されました。
この会議で何が推奨されたのか、中国メディア『新華社』が伝えるところをまとめておきます。
冒頭部分には以下のように書かれています。
今年に入り、習近平同志を核心とする党中央の下、経済活動に対する全面的な指導が強化され、各地域・各部門が力を合わせて難題に取り組み、各種マクロ政策が連携して効果を発揮した結果、経済は回復傾向を示し、社会の信頼感も継続的に高まり、高品質な発展が着実に推進され、社会の安定が保たれている。
中国の文書は白髪三千丈式に「、」で区切ってだらだら続くので、本当にうんざりしますが、習近平さんの指導の下で、「経済は回復傾向を示し、社会の信頼感も継続的に高ま」ったそうです。
もはや何も怖くない「無敵の人」が増殖して、とめどない社会不安が醸成されているように見えるのですが、中国共産党上層部からは全く違った景色が見えるようです。
ただし、以下のように続きます。
一方で、経済の持続的な回復と好転の基盤はまだ安定しておらず、外部からの衝撃も増している。
したがって、最悪の事態に備える意識を強化し、万全の準備を整え、着実に経済運営を行う必要がある。
この着実な経済運営のための方策が――以下のようにまとめられています。
経済の方向性と方針
●安定を重視しつつ発展を図る基本方針を堅持
●新たな発展モデルの構築を加速
●国内外の経済および通商政策を総合的に調整
●高水準な対外開放を推進し、雇用・企業・市場・期待の安定に努めるマクロ政策の推進
●積極的な財政政策と適度な金融緩和政策の効果的な活用
●地方政府向けの特別債や超長期特別国債の発行・活用を加速「三つの保障(基本民生・賃金・運営費)」の基盤を守る
●必要に応じて預金準備率や金利を引き下げ、流動性を確保
●科学技術革新・消費拡大・対外貿易の安定を支援消費と民生の強化
●中低所得層の所得を向上
●サービス消費を拡大し、経済成長への牽引力を強化
●制限的措置の撤廃、サービス消費・高齢者関連の再貸出政策設立「二つの新政策」「二つの重点建設」を質の向上とともに推進
産業・技術・市場への支援
●難航する企業への多角的支援、資金調達強化
●国内外市場の統合を加速
●新たな質の生産力を育成、戦略産業の育成強化科学技術の基幹分野で攻勢、AIやテック系債券の市場創出
標準と競争秩序の整備改革と開放の深化
●全国統一大市場の構築を加速
●企業関連法執行の規範化を推進
●サービス業の開放試験を拡大
●対外進出企業への支援強化
●多国間主義の維持と覇権行為への反対を表明不動産・都市整備
●地方債務解消政策の継続
●地方政府の企業への未払い金問題の解決を促進
●都市再開発・老朽住宅の改築を推進
●新たな不動産開発モデルを構築
●高品質住宅供給と在庫住宅買い取り政策を調整
●不動産市場と資本市場の安定化を継続民生・社会安定
●関税の影響を受ける企業に対し、失業保険還付率を引き上げ
●階層別・分類別の社会救済制度の整備
●農業生産・食料価格の安定確保
●貧困脱却の成果と農村振興の連携強化
●安全生産、防災・減災の取り組みを堅持政策ツールの整備
●雇用・経済安定の政策ツールを充実
●既定政策の早期実施と効果発現
●状況に応じた追加的政策の投入
●逆循環調整を強化し、経済・社会の基盤安定を確保経済指導と政党の役割
会議では、党の経済活動に対する全面的指導を強化するよう求め、幹部に対して困難に立ち向かう姿勢を奨励する。「正しい業績観」の確立と実践
中央の「八項目規定」の学習と作風建設を推進し、高品質な発展の新局面を切り開くことが目標であると強調しました。
一番傑作なのは、「「三つの保障(基本民生・賃金・運営費)」の基盤を守るで、賃金は削減・未払いが続き、公務員の給料も下がっており、政府の運営費もままならないので、資産の切り売り、罰金徴収の強化――が進んでいるというのに、3つの保障の基盤を守る――のだそうです。
それができないから、中国は地獄のようなどん底景気になっているのです。また「中低所得層の所得を向上」などという、不可能なことも述べています。
戦争を起こせば景気は良くなるヨ
習近平さんが、官僚が書いた「できもしないこと」が並ぶ駄文を何ページ読もうが無駄です。
一つ、手があります。
「平和は金にならない」――と見切りをつけて戦争(ホット・ウォー)を起こすのです。戦時になりますが、内需を喚起して景気は良くなるでしょう。
(吉田ハンチング@dcp)