2023年10月23日、韓国の関税庁が「2023年10月01~20日の輸出入の現状」のデータを公表しました。
結論からいうと非常に微妙なラインになってきました。以下をご覧ください。
2023年10月01~20日
輸出:338億3,800万ドル(4.6%)
輸入:375億8,600万ドル(0.6%)
貿易収支(輸出 – 輸入):-37億4,800万ドル2023年01月01日~10月20日
輸出:4,981億1,600万ドル(-10.6%)
輸入:5,215億5,100万ドル(-11.8%)
貿易収支(輸出 – 輸入):-234億3,500万ドル※( )内は対前年同期比の増減
⇒参照・引用元:『韓国 関税庁』公式サイト「2023年10月01~20日の輸出入の現状」
まず、10月20日までの貿易収支が「-37億4,800万ドル」。10月01~10日時点での貿易収支が「-53億4,300万ドル」と、近々まれに見る巨額赤字だったのですが、だいぶ戻しました。
10月11~20日の10日間の貿易収支は「+15億9,500万ドル」で回ったことになります。
「本当に?」という気がしないでもないですが、これで当月の通関ベースの赤黒が読みにくくなりました。黒字にできても恐らくスレスレのラインです(特に尹錫悦(ユン・ソギョル)政権になってからは)。
薄くても通関ベースの黒字になれば、国際収支統計の貿易収支は黒字になりますので、ひと安心といったところでしょう。
問題は、輸入の第前年同期比増減が「プラス」になっている点です。不景気でも輸入が輸出よりも減ってくれていたので貿易収支は黒字だったのですが(不況型黒字)、輸入がまた増加しだすと危なくなってきます。ただし、輸出が珍しく対前年同期比で「プラス」になっていますので、ここの塩梅が難しいところです。
「輸出が回復した!」になるのかどうかは締まってみないと分かりません。
主要輸出品目を見てみると……。
↑黄色の蛍光ペンで示してあるのが「半導体」の輸出です。金額は71億5,600万ドルで対前年同期比「-6.1%」。
半導体は「-6.1%」でまだ低迷しています。かつての「-30%」といった数字よりはマシですが、ずーっと下がってきていますので、そろそろ止まってもらわないと困るのです。
半導体と並んで問題の対中国貿易を見てみましょう。
↑赤の蛍光ペンが対中国輸出で黄色の蛍光ペンが対中国輸入です。対中国貿易(2023年10月01~20日)
輸出:71億5,600万ドル(-6.1%)
輸入:83億9,000万ドル(-4.5%)
貿易収支(輸出 – 輸入):-12億3,400万ドル
対中国貿易の方も赤字が続いています。これを黒転させるのは至難の業です。恐らく不可能でしょう。
(吉田ハンチング@dcp)