中国ほどではありませんが、韓国の株式市場も冴えない値動きとなっています。
Money1では連日KOSPI(韓国総合株価指数)のプライスアクションをご紹介していますが、2024年01月31日時点で、KOSPIの終値は「2497.09」(チャートは『Investing.com』より引用/日足:以下同)。
「3,000」に戻るどころか「2,500」を割っています。
KOSDAQの方はどうなっているのかというと――。
KOADAQの方は「800」を割り、「799.24」です。800割れは、2023年11月以来のことです。
2024年に入ってからは、
KOSDAQ:-7.77%
の下落となっているのです。
直近1カ月の各プレーヤーの売買動向を見ると……売り越しが目立つのは機関投資家で、年初来の売却金額が7兆ウォンに達します。投げ売りというレベルの売りです。
面白いのは、韓国メディア『ソウル経済』が以下のように書いていることです。
(前略)
不安定な韓国株式市場には深刻な需給問題がある。昨年10月の政府の空売りの全面禁止をきっかけに、国債ファンドなど一部の外国系機関が韓国株式市場から長期投資資金を引き上げたとされる。
(中略)
投資銀行(IB)業界のある関係者は、「ロングショート(買い – 空売り)戦略が不可能になると、あるアメリカ合衆国系大型ヘッジファンドが韓国内比率を大幅に減らし、日本とインドに資金を配分したと聞いた」と話した。
韓国政府が「全面空売り禁止」に踏み切ったのを機に、大型ファンドが資金を抜いて日本とインドに移したというのです。
韓国はよく「コリアディスカウント」などといい、韓国株は低く見られていると、まるで被害者のような主張をしますが、「全面空売り禁止」を実施したのは自国政府です。
流動性を自ら絞るような愚かなことをしているのは、中国と韓国ぐらいなものです。
これでMSCIで「先進国市場」に分類されようというのですから、呆れるばかりです。『ソウル経済』は以下のようにも書いています。
(前略)
証券業界の高位関係者は「政府が推進中のバリューアッププログラムを通じた上場企業の革新誘因、再形貯蓄の復活などは(投資基盤の拡大に)役立つだろう」とし、「一方で、空売り禁止などモルヒネ注射のようなショック療法ではなく、市場に信頼を与え、取り引きを増やすための税制優遇など、開かれたアプローチが必要だ」と指摘した。
(後略)
韓国株式市場は、証券マン自身が「中国と一緒に見られる」と嘆くぐらいなのです。「空売り禁止にしたら下がらないだろう」みたいな安易な考えは、いい加減やめたらいかがでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)