韓国に対する中国の圧迫が強くなっています。当たりが強くなってきたので韓国の方も必死の防戦を行っていますが……。
2023年06月09日、中国外交部の定例記者ブリーフィングで、中国vs韓国についてのQ&Aがありましたので、プレスリリースから以下に引用します。
会談後、記者からの質問:
――中国の邢海明駐韓大使は、08日に韓国の最大野党『共に民主党』の李在明(イ・ジェミョン)代表と会談した際、中韓関係に対する見解を述べ、現在の中韓関係の困難は中国に責任がないと強調した。邢海明大使の発言は韓国の世論を喚起し、韓国外務省はこの点について中国側に懸念を表明している。これに対する中国のコメントは?王文彬:
現在の中韓関係の困難や課題については、中国に責任はない。韓国政府、政党、社会の各界と幅広く接触し、二国間関係や共通の関心事について意見交換し、中国の立場や懸念を紹介することは、邢海明大使の任務である。韓国の関係者が適切な見解を持ち、いかに問題に立ち向かい、中韓関係の安定と発展を実現するかに重点を置くことを希望する。
――韓国大統領府関係者は07日、中国外務省関係者が訪韓時に「4つのNO」アプローチについて説明したという報道があったことについて、「報道は全く事実ではなく、韓国と中国の間に関連する対話はない」と明らかにした。 韓国政府は北朝鮮問題で中国側と協議を続けることができ、中国はTHAAD問題や国家安全保障問題を韓国側との対話の条件としたことはない、とした。 このことについて、報道官はどのように考えているのか。
汪文斌:
現在の中韓関係の困難と課題は、中国側の責任ではない。先日の中韓の局長・局レベルの外交協議で、中国は自らの立場と懸念を明確かつ明白に表明し、韓国側にもそれが伝わっている。
韓国側は問題の所在を深く理解し、真摯に受け止め、中国側と協力して中韓関係の健全で安定的な発展のために積極的に努力する必要がある。
――中国当局は、ソウルが台湾問題で北京のレッドラインを越え、東京やワシントンと軍事連携を行うなら、ハイレベルな外交交流を停止し、政策協力を中止すると韓国当局に警告したと報じられている。これについて、報道官はどのように考えているのか。
汪文斌:
台湾問題は純粋に中国の内政問題であり、中国の核心的利益の中核をなすものである。1992年の中国と韓国の国交樹立に関する共同コミュニケでは、「大韓民国政府は中華人民共和国政府を中国の唯一の合法政府として承認し、中国は唯一であり、台湾は中国の一部であるという中国の立場を尊重する」と明記されている。
大韓民国は、中国と大韓民国の国交樹立に関する共同コミュニケの精神を遵守し、一つの中国の原則を堅持し、台湾関連問題を慎重に処理する必要がある。
汪文斌報道官は「現在の中韓関係の困難と課題は、中国側の責任ではない」と二度言いました。中国は自分から韓国との関係を良くするように態度を変化させるつもりがない――という表明です。
つまり、「韓国が中国の言うとおり動かなければならない」という主張です。
①(台湾問題など)中国の「核心利益」に触れると中韓協力不可
②韓国が親米・親日一辺倒の外交政策に進む場合、協力不可
③現在のような中韓関係の緊張が続く場合、高官級交流不可
(習近平国家主席の訪韓は不可能)
④悪化した情勢の下、韓国の対北朝鮮主導権行使不可
この記者は「4つのNO」について、(韓国政府が否定しているので)本当にあったのかと聞きましたが、汪さんは明言しませんでした。「韓国側にも伝わっている」とだけ答え、「何が伝わっているのか」ははぐらかしています。
最後に「台湾を分離・独立させることに加担するな」と釘を刺しました。
韓国に足りないのは「覚悟」です。
またフラフラと中国側に擦り寄る様子を見せるのか、尹錫悦(ユン・ソギョル)政権がどうするのかに要注目です。本当に尹大統領が自由主義陣営国のリーダーとして、ブルーチームの一角として信用できるのかは、これから明らかになるはずです。
その結果によっては、「日韓の雪解け」などという日本のマスコミが醸成したムードは吹き飛ぶことになるかもしれません。「あーあ、また岸田さんと自民党は韓国にだまされた」となる可能性があります。
「何が起こるのか、見てみよう」――です。『遊星からの物体X』のラストシーンのようです。
(吉田ハンチング@dcp)