2024年02月05日、『韓国銀行』が2024年01月時点での外貨準備高を公表しました。
2024年01月
外貨準備高:4,158億ドル(約61兆7,172億円)※
(前月比:-44億ドル)<<内訳>>
⇒Securities:3,687億ドル(約54兆7,261億円)
(証券類)
前月比:-50億ドル⇒Deposits:228億ドル(約3兆3,842億円)
(預金)
前月比:+8億ドル⇒SDRs:149億ドル(約2兆2,116億円)
(IMFのSDR(特別引出権))
前月比:-1億ドル⇒IMF position:46億ドル(約6,828億円)
(IMFリザーブポジション)
前月比:-1億ドル⇒Gold:48億ドル(約7,125億円)
(金)
前月比:増減なし※円換算は2024年02月05日「1ドル=148.43円」のレートで算出
⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト「Official Foreign Reserves(January 2024)」
当月の注目ポイントは、Securities(証券類)が50億ドルも減少している点です。売却したにしても、現金たるDeposits(預金)は8億ドルしか増加していません。売却したなら差し引きの42億ドルの現金はどこにいったのか。
『韓国銀行』は当月の外貨準備高の減少について、以下のように述べています。
ㅇその他通貨の外貨資産の米ドル換算額※および金融機関の外貨預金の減少、国民年金との為替スワップによる一時的な減少などに起因する。
※01月中、ドルINDEXは約2.1%上昇。⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト「2024年01月末の為替保有額」
「その他の通貨建て資産」が、ドルが強くなったことによって、ドル換算額で減少したこと。また、金融機関の外貨預金が減少したこと。さらには「国民年金機構」と締結している為替スワップによって減少した――となっています。
為替スワップによって、『韓国銀行』が保有するドルを「国民年金機構」に貸し出したのです。これは、市場で「ウォン売りドル買い」が行われると、ウォン安が進行しますので、それなら『韓国銀行』が保有するドルを貸します、というウォン安阻止のための仕組みです。
貸し出すぶん外貨準備が減少しますが、これはスワップバックで戻ってきますので、『韓国銀行』は「一時的な減少」と書いているわけです。
ここまでの外貨準備高の推移を見ると以下のようになります。
上掲のとおり、2022年01月には「4,615億ドル」あった外貨準備高も、貿易赤字が継続して外貨を積めなくなり、減少。なんとか「4,200億ドル」水準で推移しています。
2024年01月は「4,158億ドル」となりましたので、2年前と比べて「457億ドル」も減ったのです。
(柏ケミカル@dcp)