2024年03月13日、韓国の尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領は、1.5兆ウォンを突っ込んで「韓国を宇宙経済強国にする」と宣言しました。
以下が第20代大統領室が公表したプレスリリースです。面倒くさい方は飛ばしても大丈夫です。強調文字の「数字に言及した部分」だけご覧ください。
尹大統領、宇宙産業クラスター三位一体の体制構築で宇宙経済大国を実現すると明らかに
2024.03.13
-尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領、宇宙産業クラスターの三位一体体制構築で宇宙経済大国を実現すると明らかに
-大統領、「韓国宇宙産業クラスター発足式」に出席
-2027年まで宇宙開発予算を1兆5千億ウォン以上に拡大-尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領は本日(03月13日)(水)午前、慶尚南道泗川韓国航空宇宙産業(KAI)で開催された「韓国宇宙産業クラスター発足式」に出席しました。
本日の行事は、慶尚南道、全羅南道、大田で構成された宇宙産業クラスター三位一体体制の発足を祝うためのもので、宇宙航空庁の設立予定地であり、クラスターの一翼を担う慶尚南道・四川で開催され、その意味を深めました。
大統領が『韓国航空宇宙産業』(KAI)を訪問したのは22年11月以来2回目です。
大統領は祝辞で、1969年にアポロ11号が人類初の月面着陸を果たした時の記憶に言及し、全世界が激しい宇宙競争を繰り広げている中、今日発足する宇宙産業クラスターが5大宇宙大国に向けた偉大な旅をリードすることになると述べました。
大統領は特に、宇宙技術が安全保障競争にとどまる時代は過ぎたとし、宇宙産業が既存産業の競争力を高め、新産業を誕生させる未来の成長エンジンだと強調しました。
大統領はまた、無限の機会と巨大な市場がある宇宙に向けてもっと力強く挑戦しなければならないとし、宇宙航空庁の設立、宇宙経済ロードマップの提示と共に、本日、世界最高水準の宇宙産業クラスターの三位一体の体制を発足させたと述べました。
大統領は続いて、宇宙産業クラスターの成功を強力に支援すると約束しました。
大統領はまず、宇宙環境試験施設のように民間企業が個別に構築するのが難しい核心インフラを政府が責任を持って構築すると明らかにしました。
大統領はまた、昨年造成した政府、民間マッチング宇宙ファンドを2倍以上拡大し、スタートアップ企業がグローバル企業に成長できるよう全面的に支援すると明らかにしました。
大統領はまた、2027年までに宇宙開発予算を1兆5千億ウォン以上に拡大し、2045年までに100兆ウォンの民間投資を誘致し、25万人以上の良質の雇用を創出すると強調しました。
大統領の祝辞の後、イ・ジョンホ科学技術情報通信部長官が宇宙産業クラスターの今後の発展方向を発表し、続いてクラスター三位一体の体制を構成する大田、慶尚南道、全羅南道地域の団体長がそれぞれの特区の未来像を提示しました。
大統領は最後に発足を祝うパフォーマンスで、大田、慶尚南道、全羅南道を代表する学生および研究者3人と一緒に舞台に上がり、宇宙産業クラスターの成功的な構築とグローバル宇宙経済大国への飛躍を祈願しました。
本日のイベントには、宇宙航空分野の企業家、研究者、大学(院)生および慶尚南道地域住民など450人余りが参加し、政府からはイ・ジョンホ科学技術情報通信部長官などが、自治体からはパク・ワンス慶尚南道知事、キム・ヨンロク全羅南道知事、イ・ジャンウ大田市長などが、大統領府からはソン・テユン政策室長、パク・サンウク科学技術首席などが出席しました。
⇒参照・引用元:『韓国 第20代大統領室』公式サイト「尹 대통령, 우주산업 클러스터 삼각 체제 구축으로 우주경제 강국 실현할 것이라고 밝혀」
これもまた総選挙対策の一環かもしれませんが、韓国版NASAを実現する――というのは、大統領候補者時代からの尹錫悦(ユン・ソギョル)さんの公約です。
宇宙開発には夢がありますし、国民受けはいいかもしれません。
問題は――いつもそうですが――「誰がお金を出すんだよ」です。
2027年までに宇宙開発予算を1兆5,000億ウォンまで拡大する、としましたので、これは政府が担当するのでしょう。
100兆ウォンの方は民間投資ですので「みんな出してね」です。
気になるのは、さんざん「お金がないので緊縮財政」としてたのに、1兆5,000億ウォンの宇宙開発予算を捻出することができるか?――です。
ちなみに、韓国メディアでは本件を「韓国が5大宇宙強国に入る」と書いています。では、韓国を除いた「4大強国」とはどこなのでしょうか?
プレスリリースにはそのようなことは説明されていませんが、
・アメリカ合衆国
・ロシア
・中国
・日本
とのことです。欧州とインドから文句が来そうですが、大丈夫でしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)