韓国02月は経常収支「68.5億ドル」。韓国政府は24億ドル負債を積んだ

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2024年04月05日、『韓国銀行』が「2024年02月の国際収支統計」と公表しました。

2024年02月
貿易収支:66億790万ドル
サービス収支:-17億7,300万ドル
第1次所得収支:24億3,950万ドル
第2次所得収支:-4億1,610万ドル
経常収支(上記4つの合計):68億5,830万ドル

⇒データ出典:『韓国銀行』公式サイト「ECOS」

2024年02月の経常収支は「68億5,830万ドル」となりました。普通なら、貿易収支よりも経常収支が小さくなるのですが、当月は貿易収支より大きく締まっています。

これは、サービス収支の赤字が小さく済み、第1次所得収支が20億ドル中盤の黒字を達成したため、「サービス収支」「第1次所得収支」「第2次所得収支」の合計がプラスとなり、その分を貿易収支黒字に乗せることができたのです。

韓国メディアは「経常収支が10カ月連続で黒字」などと書くでしょうが、(韓国の場合には)経常収支が黒字でないと国が傾くので、そこは喜んでも仕方ありません。まあいつもの韓国に戻ってきた、という感じです。

外国人は直接投資では韓国からお金を引き上げた

今回の国際収支統計のデータには面白い部分があるのです。以下をご覧ください。

上掲は金融収支、直接投資の負債の部です。以前にもご紹介したことがありますが、ここには外国から韓国へ直接投資でいくらお金が流入したのかが計上されます。

2024年02月は、なんとこれが「-7億650万ドル」とマイナスです。

マイナスということは、外国人が韓国から直接投資のお金を引き上げたことを意味します(資産の減少を意味する)。この直接投資負債の部がマイナスになるのは2023年03月以来のことです。

106億ドルが韓国証券市場に流入した

もうひとつ、当月の大きな特徴は「証券投資」です。この項目には、名前のとおり、株式・債券の投資の収支が計上されます。

証券投資がマイナスになっており、「-16億180万ドル」です。しかし、資産の部は「90億4,830万ドル」もあります。

ということは、負債の部がこれを上回る金額になっているわけです。


↑黄色でフォーカスしたセルが金融収支⇒証券投資⇒負債の部。

負債の部を見ると、なんと「106億5,010万ドル」という巨額が計上されています。

証券投資
資産の部:90億4,830万ドル
負債の部:106億5,010万ドル
小計(収支 = 試算 – 負債):-16億180万ドル

負債の部がプラスになるということは、その分外国から韓国にお金が流入したことを意味しています(外国からすると韓国の資産を増やした)。株式と債券のデータを見てみると、以下のようになります。

証券投資の負債の部
株式(Equity securities):55億8,480万ドル
債券(Debt securities):50億6,530万ドル
小計(株式 + 債券):106億5,010万ドル

株式と債券でほぼ半々、それぞれに50億ドル超のお金が流れ込んだのです。

特に驚くのは、株式の方で「01月:26億7,680万ドル」で「02月:55億8,480万ドル」ですから、流入する資金量は倍以上になったことが分かります。

外国の皆さんが韓国証券市場において資産を膨らませているのです。

韓国政府は長期債券で資金調達24億ドル

面白いのは債券の方で、長期債券(Long-term debt securities)と短期債券(Short-term debt securities)の額を見ると、以下のようになります。

短期債券は1年以内に償還するもの、長期債券は償還が1年超のもの。


↑黄色でフォーカスしたのが証券投資⇒負債の部⇒債券投資(収支)。青のセルが長期債券、オレンジのセルが短期債券。短期債券は償還が1年以内。長期債権は1年超。

証券投資 負債の部
長期債券:52億5,690万ドル
短期債券:-2億2,160万ドル
小計(長期債券 + 短期債券):50億6,530万ドル

上掲のとおり、証券投資の債券においては、圧倒的に長期債券が大きく、短期債券はマイナスですから、その分外国は金を抜いています。資金流入(資産増)の全てが長期債券へのものなのです。

では、どのセクターが長期債券によってお金を入れてもらったのかというと……以下です。


↑長期債券の金額がどのセクターで増加したのか? 黄色でフォーカスしたのが一般政府。

増加した「52億5,690万ドル」のうちのほぼ半分「24億4,800万ドル」が一般政府(General government)です。

つまり、韓国政府は長期債券の発行によって外国から資金調達に励んでいる、というわけです。これは債券ですから、利払いと元本償還が発生します。

Money1でもこれまでご紹介してきたとおり、韓国は短期債券から長期債券へ、短期融資から長期融資へと資金調達をシフトしています。つまり元本返済の先送りを企図して資金調達を行っています。

面白いと思われませんでしょうか。

(柏ケミカル@dcp)

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