2024年04月05日、「第22代 国会議員総選挙」の事前投票がスタートしました。
総選挙の投開票日は10日(水)ですので、もう決戦は目の前です。
↑『国民の力』の選対統括である韓東勳(ハン・ドンフン)さんもこの日、ソウル西大門区新村洞事前投票所でさっそく1票を投じました(月亭方正似)。
上掲のとおり、2024年04月05日、15:00時点で全国事前投票率は「11.1%」となかなか高率です(前回の第21代国会議員総選挙のときよりも約7%ほど高い結果です)。
もちろん、『共に民主党』党首の李在明(イ・ジェミョン)さんも上掲のように一票を投じました。
最大野党『共に民主党』の旗色悪し!
直前の政党支持率などのデータは投票行動に影響する、ということで、2024年04月04日が直近の最新データになります。以下が『韓国ギャラップ』の直近の政党支持率のグラフです。
上掲のとおり、最後の世論調査の結果(2024年03月26~28日)では、
・政府与党『国民の力』:37%(対前週比 +4%P)
・最大野党『共に民主党』:29%(対前週比 -4%P)
となりました。『国民の力』は支持を上げ、『共に民主党』は大きく下落。
比例制選挙では恥知らずが大きく躍進
韓国の国会議員選挙は、300議席を巡って戦われますが、このうち254議席が選挙区制(その選挙区で立候補して当選する必要がある)、残りの46議席は比例制です。
韓国の比例制選挙では大きな政党は立候補者を出すことができません。そのため、各党は比例制選挙用の党を作って、そこから立候補者を擁立することになります。
例えば、『国民の力』なら『国民の未来』、『共に民主党』なら『民主連合』といった具合です。これらの比例制選挙用の政党が「衛星党」と呼ばれるのはそのためです。勢い、衛星党をたくさん作ってやれとなる原因もここにあります。
比例制選挙用の政党が乱立したため、とうとう今回の選挙では「38の政党」が選挙に臨むことになりました。
すでにニュースでご存じかもしれませんが、政党数があまりに多いため投票用紙が51.7cmにもなっています。
↑政党名がズラリと並ぶ投票用紙。まさに「なんだこりゃ(笑)」
比例制で分配される議席数は、その党の得票数の比によります。単純計算ですが、10%を占めれば46議席の10%を取ることができ、「4人」を国会議員を国会に送り込めるわけです。当選する人は、各政党が提出した名簿の上から順番です。
例えば、曹国(チョ・グク)さんの『祖国革新党』の名簿によると、党首曹国(チョ・グク)さんは名簿の上から2番目です。ざっくり計算すれば、『祖国革新党』が4.4%を取れば、曹国(チョ・グク)さんは国会議員になれる――となります。
比例政党の支持率を、同じく『韓国ギャラップ』の直近の調査で見ると以下のようになります。
『国民の未来』:34%
『民主連合』:22%
『祖国革新党』:22%
以下略⇒データ出典:『韓国ギャラップ』公式サイト
『共に民主党』の衛星党である『民主連合』は、曹国(チョ・グク)さんの『祖国革新党』に支持率で並ばれています。
↑「(大統領退任後は)忘れ去られて暮らしたい」なんて言っていた文在寅さんですが、(よせばいいのに)青い服(『共に民主党』のカラー)を着て姿を見せています。
李在明(イ・ジェミョン)さんにどうしても我慢できないという左派・進歩系の支持者が、かつて文在寅さんの後継者と目された曹国(チョ・グク)さん支持に回ったと見られます。
↑監獄行き内定の曹国(チョ・グク)さん。政党支持率が高いのでご機嫌です。
『祖国革新党』への支持率は「22%」もありますので、この数字を配分に用いてみると「10人」も国会議員に当選することになってしまうのです。
ただし、Money1でもしつこくご紹介してきたとおり、曹国(チョ・グク)さんはすでに二審で有罪が確定しています(禁錮2年の実刑判決)。控訴していますが大法院(最高裁判所相当)で同じく実刑判決が出れば、「塀の中」です。
いまだ予断を許さない状況です。今回の総選挙はかなりの見ものです。読者の皆さまもぜひご注目ください。
(吉田ハンチング@dcp)