韓国『SKグループ』に「大丈夫なの?」という兆候があります。
半導体輸出が戻ってきた――という話がありますが、問題は他です(半導体もそれほど大丈夫とは思えませがこれについては長くなるので別記事にします)。
韓国メディア『毎日経済』が、『SKグループ』が「資金が足りないので、事業売却に動いている」という記事を出しました。
以下にポイントを記事から引用します。
(前略)
15日、投資銀行(IB)業界によると、『SKグループ』は最近、『SKIET』の経営権を含む持分売却方針を決め、主要グローバルIBを通じて買収候補者との接触に乗り出したという。IB関係者は、「バッテリーメーカーである『SKオン』支援のための事業再編を巡って悩んできた『SKグループ』が『SKIET』売却のためにグローバルIBと本格的な議論に入った」と伝えた。
(後略)
『SKオン』は、読者の皆さまもご存じのとおり、韓国の車載用バッテリー製造が会社としてTop3に入る企業です。『SKグループ』の総帥である崔泰源(チェ・テウォン)さんも事業の柱にしようと天塩にかけてきました。
文在寅前大統領が「K-バッテリー」と誇った企業の一つです。
しかし、電気自動車のニーズにブレーキが掛かり、『SKオン』の先行きも怪しくなっています。『SKイノベーション』の公表によれば、2023年の『SKオン』の業績は、
営業利益:-5,818億ウォン
で通年で赤字でした(『SKオン』は『SKイノベーション』の子会社です)。
ご注目いただきたいのは、2023年第3四半期の段階で「第4四半期は黒字転換する」としていたものが、第4四半期にも達成できなかったことです。
黒転を達成するためにも、崔泰源(チェ・テウォン)会長としてはこれまで述べてきた投資を行いたいところです。2024年02月時点で「『SKイノベーション』は2024年、設備投資で9兆ウォン、このうち7.5兆ウォンをバッテリーに投資する」としていたのでsが――どうも手元如意の様子。
仕方がないので、資金調達のため『SKIET(SKアイイーテクノロジー)』を売却するか――となった模様。
『SKIET(SKアイイーテクノロジー)』は、バッテリー用分離膜を生産する会社で、時価総額は「4兆854億ウォン」(2024年05月14日時点での株式時価総額)。
どのくらいで買ってもらえるのかは分かりませんが、確かに売却に成功すれば急場は凌げそうです。
問題は、ここを凌いでもバッテリー企業『SKオン』に未来はあるのか?です。
(吉田ハンチング@dcp)