韓国は不動産PF(プロジェクトファイナンス)問題に絡んで金融機関がきな臭くなってきました。
不動産業界にメインで資金を流したのは、第1金融圏と呼ばれる市中大手銀行ではなく、資金力が弱い第2金融圏、証券会社であり、だからこそ危ないのです(以前は第1金融圏も不動産PFに熱心でしたが現在では手を引き気味です)。
第2金融圏の貯蓄銀行や『セマウル金庫』は弱い環です。
Money1でもご紹介したことがありますが、『セマウル金庫』は2023年末時点で融資の延滞率が5.3%でした。これだけでも大丈夫なのか? ですが2024年03月には「7%台」まで上昇しました。
韓国メディア『韓国経済』が、『セマウル金庫』について非常に興味深い記事を出しています。
同紙が『セマウル金庫』が随時発表している公告を直近1年分(2023年06月10日~2024年06月10日)を調査したところ、全国1,284のうち経営改善措置を要請されたのが124カ所にも及ぶというのです。
経営改善措置は、その不良の程度によって、
勧告
要求
命令
の3段階に分かれます。直近1年間では、「経営改善勧告」を受けた金庫は104カ所、「経営改善要求」の対象となった金庫は20カ所に達しました。
『セマウル金庫中央会』から経営改善措置要請を受けた金庫は、
不良債権の売却
配当制限
合併
などの措置を実行しなければなりません。
同紙の記事は、政府行為関係者は「『第2四半期に少なくとも数千億ウォンの引当金をさらに積み上げなければならないだろう』と予想した」と書いています。
韓国金融当局としては、金融機関が飛ぶなどということは絶対に避けねばなりません。不良債権処理がそろそろ正念場でしょう。
(吉田ハンチング@dcp)